「タリズマン」と「指輪」とを使った魔術の実践

審査の円環による資格の確認

先ず、術者が「タリズマン」と「指輪」とを使った魔術を行なう資格があるか如何かを [ 02 ] の「審査の円環」に入る事によって確かめます。円環に入り何も起こらないのであれば、術者がこの術を行なうに値する(純粋で罪のない)人間だと言う事になります。逆に術者に資格がない場合は、円環の中に入った際に打ち倒され死に至るとされています…。しかし、これは少々極端であるような気がします。そこで、ここではそれをもう少し実用的にし…円環に入った時に何かしらの違和感のようなものがあるならば、以降の作業へは進まずにこの時点で断念した方が良い…と言った感じで捉えるようにしたいと思います。(円環に入った際に打倒されて死んで仕舞っては違和感のあるなしどころではないのですが…それはこの手のものに見られる脅しだとして聞き流します。)

「第一の祈り」と「第二の祈り」

術を行なう資格がある事を確認したら、術の実践に移ります。実践に当たり、先ず、「第一の祈り」と「第二の祈り」とを行ないます。「第一の祈り」「第二の祈り」は以下のようになります。

「タリズマン」と「指輪」とを使った魔術の発動

次に、目的に合った「タリズマン」と「指輪」とを身に付け、その使用方法に従いながら呪文を唱え、それらを発動させます。

術後の作業

術を終えたら(若しくは術を終えるために)「タリズマン」と「指輪」とを外し、術に入る前にも唱えた「第一の祈り」と「第二の祈り」とを再び唱えます。

作業の終了

最後に後片付けをして全ての作業を終了します。

NOTE ― 1

以下は『黒い雌鳥』の作者が秘儀参入前に老人に読まされた文章です。魔術師にとっては今更必要のないものであるとは思いますが載せておきます。(基本的には読まなくても一向に構わないのですが、)もし、読むのであれば初めてこの魔術を行なう前に(声を出して)読むものと思われます。

NOTE ― 2

原文では魔術を行なう際に円環を用いていなかったため、(恐らく基本的に必要としていないのでしょう、)上記でも特に円環の使用については触れていません。しかし、これは原文の中で用いられていないと言うだけであって、円環を用いてはいけないと言う事ではないと思います。当然、必要であると感じるのであれば円環を用いても構わないと思います。個人的には何らかの円環を敷いて作業に望む事をお勧めします。

また、術を始める前には身体の清めを行い、清潔な衣服(出来れば祭服)に着替えるようにし、作業の前後には場に対する「祓い」を行なうようにした方が良いかと思います。

NOTE ― 3

老人の話では、これらの術は人が神に対して持つ尊敬を基盤としており、神に対して敬意を持ち従順である者こそがこれらを行なう者として相応しとしています。そして、神への罪を負っている人間が(罪を償わないまま、身が清められていないまま)術を行なえば罰せられ、間違いなく生命を失うとされています。

原文での老人の話を簡単に纏めると、これらの術を無事に行なうための条件として大切なのは、純粋な心と汚れのない魂とを持ち、徳があり、神に対して誠実で敬虔であると言う事と、神やこの術の徳(効力)に対して如何なる不信も抱かないと言う事との2つであると言えます。これらの術は善人(聖人)に開かれ、悪人に閉ざされたものであると言えます。

(以上の事は参考までに書き出したものであり、実際にはこれらは現代人にそのまま当て嵌まるものではないと(個人的には)思います。少なくとも魔術的な訓練を行なっていれば信仰心は必要ないと言えるでしょう。)

カウンター
^