The Four Nines (4枚の9) ― トートタロット

「生命の樹」の「イェソド」に属します。「7(慈悲の柱)」~「8(峻厳の柱)」と脇へ逸れて不幸になった後に、流れは再び「中央の柱」へと帰ります。この「セフィラ」はエネルギーの大いなる結晶化の中心地です。「ネツァク」や「ホド」のように均衡を失った下位「セフィラ」からの援助は殆どありません。「イェソド」を救う者は「ティファレト」からの直接の光です。これら(「9」)のカードのそれぞれは元素の力の十全な影響を発揮します。しかし、それは最も物質的な意味においての元素の力です。力の観念で言えば、「イェソド」は依然として「形成界 : Yetzirah」であるためです。

「棒の9」は「剛毅」と呼ばれます。「月」と「イェソド(基盤)」に支配されます。これは変化(「月」)と安定(「イェソド(基盤)」)と言った一見相容れないと思える2つの要素を含んでいます。しかし、そこに自己矛盾はありません。変化とは自然の根本の要素の激しいエネルギーであって、それは自然界の秩序を約束するものだからです。即ち、変化は安定であり、安定は変化によって保証されるのです。このカードは「変化は安定である("Change is Stability")」と言う格言の意味を説明するための簡単な譬えのようなものです。ここに、惑星の中で最も弱い「月」が、宮の中で最も掴み所のない「人馬宮」にありますが、それにもかかわらず「月」は敢えて自身を「剛毅」と呼びます。防御が有効であるためには(「月(変化)」、「人馬宮(軽快で素早い)」のように)可動性がなければいけません。

「杯の9」は「幸福」と呼ばれます。これは特別に良いカードです。なぜならば、「幸福」はその言葉からもわかるように、非常に幸運な事柄だからです。このカードは「木星」によって支配されます。「木星」は幸運、繁栄、(富や社会的地位を得ると言った類の)成功、富(Fortune)の星です。全ての「水」のカードにはある程度の幻想の要素があります。それは愛によって始まりを持つものです。愛は幻想の持つ最も素晴らしくて最も致命的なものです。「双魚宮」は洗練され、この(愛の)本能が消え去っています。本能は酷い渇望で始まり、情熱を持続していましたが、ここに「夢の中の夢("a dream within a dream")」となりました。「双魚宮」に於ける「木星」は実際に「幸運」を示しますが、それは完全な「飽き」と言う意味に於いてだけのものです。最高の満足は単に更なる腐敗の母体(発生源)でしかありません。

「剣の9」は「残酷」と呼ばれます。剣に固有の本来の分裂は、ここに於いてその最高の力へと高められます。このカードは「双子宮」における「火星」に支配されます。それは精神の苦悩です。このカードにおいて「ルアク : Ruach(打算的魂、理性)」は自身を使い尽くします。思考は全ての可能な段階を通過しました。その終わりが絶望です。

「ディスクの9」は「獲得」と呼ばれます。「地」の「スート」は心配事を全く気にする事もなく、その(獲得した)儲けを勘定します。全てを獲得出来る時に、何を獲得出来るのかについて頭を悩ませる事はありません。このカードは「金星」に支配されます。それは蒔いたものを刈り取った時の満足故の悦びです。このカードには他の3つの「スート」の「10」とは違い、満足に対しての如何なる反応もありません。

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