コートカードの最後に位置するこのカードは「地」の「地」の部分を表わします。その結果として、彼女は変容の瀬戸際にいます。彼女は強く美しく、その極端に思いに耽っている表情は、まるで秘められた驚異を知り得ているかのようです。北極周辺の天空の4分円の1つ(欧羅巴と阿弗利加大陸)を支配します。

彼女の兜の頂きは雄羊の頭です。そして彼女の笏は地(「マルクト」)へと降りています。その先端は「ケテル」の宝石であるダイヤモンドです。従ってこれは「四大元素」の最も深く最も暗いところ(「地」の「地」)に於いての至高にして純粋な光の誕生を象徴しています。彼女は神聖な木の林の内で、小麦の束を暗示している祭壇の前に立っています。それは彼女が「デーメーテール : Demeter」の女司祭だからです。彼女は彼女の体の内に未来の秘密を抱いています。その荘厳さは、彼女が持つディスクによって大いに強調されています。それは、このディスクの中心に完全な均衡にある創造のフォースの対の螺旋形を示している中国の表意図形(太極図(陰極まって陽生じ、陽極まって陰生ず))があるためです。これより偉大なる肥沃の母「イシス : Isis」の薔薇が生まれます。

このカードに象徴される人(女性)の特質は、列挙するには余りにも多いのですが、要約すると、彼女はその究極的な投影においては「女性らしさ」であると言えるでしょう。彼女は女性の全ての特徴を含みます。そして、どの特徴が現れるかは、彼女が受ける影響に完全に依存するでしょう。しかし、如何なる場合に於いても彼女の属性はそれ自体純粋であり、そして普通に象徴的と見なされている他のどの様な属性とも必ずしも関係がある訳ではありません。そして、彼女の一般的な評判には幾分困惑した矛盾があるでしょう。それは寧ろ福引の車輪のようです。どのような数が出ても、続いて行う抽籤結果の予測にも予言にもなりません。意志の法(「テレマ : Thelema」)の哲学の成果は、この瞑想に於いて最も高く最も満ちている状態に達した時、喜びを与え、素晴らしく、円熟し、滋養と活力を与えるのです。何故ならば、達人(the adept)にとってはどのような輪の回転も、そして得られる賞品も等しくあるからです。それはあらゆる出来事が「ヌイトの神劇("a play of Nuit")」だからです。