「10」・「マルクト」は、何時もと変わらずに、エネルギーの最後の流出(結果)を表わします。ここに偉大なる最終的固体化があります。力は完全に費やされ、死と言う結果になりました。

「水星」はこのカードを「処女宮」において支配します。そして、これは獲得された富が、不活発であり、その力を単なる蓄積以外の目的へとその力を捧げる事によって使用して行かない限り、それが消散してしまうと言う事を暗示しています。ディスク、または(今はそうなっしまった)硬貨は生命の樹の形に配置されています。しかし、第10の硬貨は他のものよりも遥かに大きく、物質的な富の無益さを指摘しています。

これらのディスクは、「太陽」の記号(六芒星)が付けられた、「(生命の)樹」の上の「ホド(水星)」の位置にある硬貨を除いて、様々な「水星」の象徴が刻まれています(錬金術の記号、ヘブル文字の「Beth(B)」、エノク文字の「Peh(B)」、八芒星、「カドゥケス : Caduceus」など…)。これは、元素の力の枯渇によって生じた行き止まりから抜け出す唯一の可能性を示しています。物質の終末に、父(神)の意志、偉大なる造物主、偉大なる算術家、偉大なる幾何学者が常に内在していないのであれば、完全な停滞であるに違いありません。この場合に於いて、「水星」はその象徴が含んでいるあらゆる意味から、ロゴス、言葉、意志、智慧、永遠なる者(神)の息子、処女の「処女宮」を表わすでしょう。このカードは、事実上、再生の循環(サイクル)の絵文字です。