七惑星の「火星」に配属され、ヘブル文字の「ペー(口の意)」に対応します。壮大なる宇宙のエネルギーの顕現に関連しています。

カードには存在を「火」で焼き尽くす様子が描かれています。「XX. 最後の審判」、「新しき永劫(ホルスの永劫)」の到来の前触れだと考えられます。

カードの下部には電光、火炎、武器により既成の「永劫(オシリスの永劫)」が破壊される姿が描かれています。

右下隅には地下界の神「ディス : Dis(プルート : Pluto)」の顎があり、建造物の基礎に向かい「火」を吐いています。

塔の上からは打ち砕かれた守備隊員達が落ちて来ています。この人間は人の形でななく、幾何学的な図形に成り果てています。

今ある栄光や喜びと言ったものは些細なものであり、完成に到達するためには存在しているもの全てを滅ぼさなければいけません。この事から、守備隊の壊滅の意味は、今まで閉じ込められていた、組織化された生活と言う束縛からの開放を暗示しています。究極の真理(完成)とは無であり、それは存在全てが滅びる事によって到達出来るとされています。これはこのカードのもう1つの解釈です。

空にある目は力の主「ホルス : Horus」の目であり、また「シバ : Shiva」の目でもあります。「シバ」の目は開けば宇宙が壊滅すると言われています。

この目の輝きを浴びて、オリーブの枝を咥えた鳩、そして蛇がいます。この蛇は獅子( = 蛇、Xnoubis)、即ち、「アブラクサス : Abraxas」として描かれています。

これらは欲望の2つの形を表わしています。それは生きる意志と死ぬ意志であるとも言え、女性と男性の衝動を表わしています。この2つは矛盾するものではなく、同じエネルギーの顕現の二局面であると言えます。