七惑星の「木星」に配属され、ヘブル文字の「カフ(掌の意)」に対応します。

このカードは絶えず変化して行く宇宙を表わしています。それは「木星」(宇宙の絶え間ない変化)が象徴するところでもあります。

カードの上部は星を鏤めた天空です。

そこにある星の形は歪められているように見えます。

星には輝いているものと暗いものがあり、均衡が取れています。

星からは稲妻が発せられています。

カードの背景は青(「木星」の女王の色階)と菫色(同じく王の色階)との上昇気流を表わしており、これは稲妻によってかき乱され出来たものです。(「木星」の神、「ユピテル : Jupiter(ゼウス : Zeus)」は大気と稲妻の神でもあります。)

中央には10本の輻が付いた車輪が吊るされています。これは運命の象徴です。

「10」は「生命の樹」の「セフィラ」の数であり、「マルクト(10)」の領域の数に応じて自然界の事象を支配する事を示しています。

車輪には剣を持った「スフィンクス : Sphinx」(上)と「ヘルマニュビス : Hermanubis」(左)、救済のアンクと霊魂を掴むための鈎を持った「テュフォン : Typhon」(右)が見えます。

これらは自然現象の動きを支配するエネルギーの3つの形態を表わしています。

「スフィンクス」は知性と均衡を象徴し、錬金術の「硫黄」、「ヘルマニュビス」は流動し光り輝く理性を象徴し、「水銀」、「テュフォン」は見過ごしと鈍さ、破壊を象徴し、「塩」を表わしています。

「スフィンクス」が頂点にいるのは一時的なものです。次には「ヘルマニュビス」が登ろうとしています。