XI. Lust (欲望) ― トートタロット

トートタロット 大アルカナ ― XI. 欲望
[ XI. Lust (欲望) ]
画像引用元 : U.S. GAMES SYSTEMS, INC. 「THOTH TAROT DECK」

従来は力、「剛毅(Strength)」と呼ばれていたカードです。

十二宮の「獅子宮」に配属され、ヘブル文字の「テス(蛇の意)」に対応します。「獅子宮」は「火」のケルブであり、その支配星に「太陽」を持ちます。

「ケセド」と「ゲブラー」とを結ぶ「小径」にあるこのカードは、「ゲブラー」の「力」ではなく、それは「ケセド」が「ゲブラー」に及ぼす影響です。

「剛毅」は最も強力なカードであり、魔術と錬金術の全ての作業の内で最も重要な象徴であると言えます。

「深淵」下で「慈悲」と「力」、「愛」と「峻厳」とを結ぶこのカードは自然界にある本来の「結婚」行為を示しています。それは「VI 恋人(兄弟)」に見られた人為的なものとは異なります。

このカードに見られるのは女と獅子とではありますが、寧ろ獅子(蛇(「テス」の意味するところ))の伝承に基づいているものと思われます。

女は「太陽」に全てを照らされた「月」の姿であり、獣と一体になって永劫の主の代理役の人間の姿に化身するとされています。

彼女(「緋色の女」「ベイバロン」)は獣に跨り、全ての創造のフォースに酔い、溺れています。

その左手には獣との間の(合一を望む)情熱を象徴する手綱を持っています。

そして右手では(愛と死が溢れる)聖杯(受胎した子宮)を高々と掲げています。

聖杯は愛と死の炎に包まれ、その中では「永劫」の秘蹟の混合元素が満ちています。

彼女の跨る獅子には7つの頭があり、それは敬うべき「天使」「聖人」「詩人」「淫婦(『バッカス : Bacchus)』の巫女)」「戦士」「サティロス : Satyros」「大蛇(獅子蛇)」の頭となっています。

このカードには神聖なる陶酔、忘我があります。彼女の酔態、狂態は並外れていて、獣は欲情に燃えます。このエネルギーは理性の及ばない原始的で創造的なものです。

このカードは「永劫」の意志を表わしています。

背景には聖杯に生命力を吸い尽くされたため血の気が消えた聖人の像が描かれています。

10個の明るい光線の輪は潜在的で未秩序な「セフィロト」です。新たな「セフィロト」は「新しき永劫」に必要なものです。

カードの上部には新しい光の象徴と獣の角が10本描かれています。これは世界を破壊し、再生するために各方面へと送り出される蛇(死の与え主にして生命(男根、精子)の象徴)です。

[ トートタロット 大アルカナ : XI. 欲望 ]
番号 11
称号 欲望
生命の樹の小径 4 - 5(ケセド - ゲブラー)
対応ヘブル文字 テス(数価 9 : 配属 獅子宮 : 意味 蛇)
777 キー スケール 19
カードの意味 勇気、力、精力と行動、熱烈な恋愛。魔術に頼る事、魔術的能力の行使。
カウンター
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