III. The Empress (女帝) ― トートタロット

トートタロット 大アルカナ ― III. 女帝
[ III. The Empress (女帝) ]
画像引用元 : U.S. GAMES SYSTEMS, INC. 「THOTH TAROT DECK」

「IV. 皇帝」と対を成すカードですが、その属性は広範囲のものです。

七惑星の「金星」に配属され、ヘブル文字の「ダレス(扉の意)」に対応します。

錬金術で用いられる「金星」の惑星記号(上部が円で下部が十字)は「生命の樹」の全ての「セフィラ」を含む唯一のものとしても知られます。(即ち、上部の円が [ 1-2-4-6-5-3 ] と繫いだ形が上部の円となり、[ 6-9-10 ] で作る縦線と、[ 7-8 ] で作る横線を組み合わせた形が下部の十字となる。)

「女帝」は「至高なる者の領域」(「深淵」の上)にあり、「コクマー(父(正))」と「ビナー(母(負))」とを結び付けています。これは普遍性を示しています。「女帝」は女性性である循環と受容性を表わしています。彼女は絶えず姿を変え、定まりが無く、無限に生まれ変わるとされています。このカードに現れているのは彼女の最も普通の姿です。

彼女は王冠と礼服を身に着けて王座に座っています。

彼女の座る背もたれの部分は青い炎(「ヌイト : Nuit」)の揺らめきの暗示です。これは彼女が女性的な流体の水から生まれた事を象徴しています。

青い炎の先には雀と鳩(共に「金星」の聖鳥)が留まっています。

玉座の台の部分には「秘密の薔薇」(薔薇は「金星」の花)が描かれています。

彼女の礼服には蜜蜂と、螺旋状の線で作られた円が描かれています。

彼女が右手に持つのは「イシス : Isis」の蓮であり、これは女性性、受動性を表わし、「太陽」の血で清められた聖杯の真の姿であると言えます。

彼女の腕と胴体の形は、錬金術での塩(両極的なものを結び付ける、運動)の記号(円と、円の中心を通り円に内接する1本直線との組み合わせ)を表わしているように見えます。

腰に巻かれているのは黄道十二宮の帯です。(帯は美の装飾であり、「金星」の伝統的武器です。愛の魅惑の力を示します。)

足元にはタペストリーの絨毯が敷かれ、そこにはアイリスの花と魚の刺繍があります。

向かって左には、「金星」の鳥である白鳥(ペリカン)が自分の胸の血を餌にして雛達に与えている様子があります。(錬金術に見られる象徴、「雛に餌を与えるために胸を切り裂くペリカン」。)これは自然界の生命の継承、血の繫がりの象徴です。

右には、「塩」である錬金術師の白鷲が描かれた盾が置かれています。白鷲は、青白い色合い、「銀」の性質を表わしています。これは「IV. 皇帝」の赤鷲(「硫黄」)と対応しています。

女帝の左右には回転する月が見えます。

彼女の後ろにはアーチ(ダレスの意味する「扉」)があり、これはこのカードが天国の門である事を表わしています。

彼女は最高に精神的な資質を最低の物質的なものと結びつける事から、錬金術上の「塩」を象徴していると言えます。錬金術上の「塩」は自然の不活性原理であり、「硫黄」からのエネルギーにより宇宙の回転の均衡を保つとされています。

「女帝」に見られる象徴は同種のものばかりなので、カードを見る時は細部を見るよりも全体的に捉える事を心掛けます。

[ トートタロット 大アルカナ : III. 女帝 ]
番号 3
称号 女帝
生命の樹の小径 2 - 3(コクマー - ビナー)
対応ヘブル文字 ダレス(数価 4 : 配属 金星 : 意味 扉)
777 キー スケール 14
カードの意味 愛、美、幸福、楽しみ、成功、完成、幸運、優雅さ、高尚、友情、優しさ、大喜び、贅沢、怠惰、浪費、放浪。
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