一般的な魔術道具の準備

魔術儀式に欠かせない汎用的な魔術道具の用意、製作を行ないます。ここでは用意する道具をなるべく少なくするために(これから行われる召喚(喚起)儀式に於いて)最低限必要であると思われるものに絞りました。それ以外に必要と感じるもの、または使用したいものがあれば個人の判断で用意するようにして下さい。

魔術武器

・棒、杖(Wand : ワンド)

必須です。

・剣(Sword : ソード)、または短剣(Dagger : ダガー)

「剣」「短剣」は、なければ手刀で代用出来るので必須ではありません。但し、儀式内では(一般的な使用だけでなく、悪魔召喚(喚起)の場面に於いて)悪魔に言う事を聞かせる際に悪魔や「シジル」にそれを突き付けるので、その場面で手刀だと不安があると言うのであれば、確りとしたもの(不安を感じないもの)を用意した方が良いでしょう。

初心者は「剣」よりは「短剣」の方が扱い易いかと思います。また、用意もし易いと思われます。

衣服

亜麻布で出来た長く白い「ローブ」、その上から腰に巻き付ける「獅子の皮のガードル(帯、腰ひも、ベルト)」、「ローブ」の中に着る衣服や外に羽織るマントなどの「ローブ以外の衣服」、また、必要があれば「帽子」や「司教冠」を用意します。

「ローブ」についてはフードが付いていないものを選んだ方が良いかと思います。

「獅子の皮のガードル」については、幅が [ 3inch(7.62cm) ] 、表面には予め [ Divine Names(神聖なる名前) ] を全て書き記しておく必要があるとされています。(ここで言う「神聖なる名前」とは後述の「魔法円」にある蛇の中に書き込まれているヘブル文字の事です。)材料として獅子の皮を必要としますが、用意するのが無理な場合は別のもので代用しても構わないと思います。腰に巻き付けた際に余った部分はそのまま下へ垂らしておくようにします。

ここは『ゲーティア(ソロモン王の小さな鍵)』にある記述に従っているのですが、「ローブ以外の衣服」については細かい指定は特にありません。但し、「ローブ」の下が裸と言うのはここでは相応しくないと思われますので、中に着るものだけは用意するようにして下さい。

「帽子」や「司教冠」については、「ローブ」にフードが付いていないものを選んだ場合には身に着けた方が良いかと思います。

その他の魔術道具

・処女(未使用)羊皮紙

場合によっては(後述の「ソロモンの六芒星」に使用されるものとは別に)必要となるので用意しておきましょう。

・蝋燭(またはランプ)、香(インセンス)、香炉

これらはなくても構いませんが、入手も使用も比較的簡単なので、出来れば用意した方が良いかと思います。

「香(インセンス)」に関しては『ゲーティア(ソロモン王の小さな鍵)』の中では、特殊な場面を除き(後述)、一般部分で使用するものについては特に指定されていません。詳しい知識があると言う方は自分がこれから行う儀式に適していると思われるものを選択し、使用するようにして下さい。詳しくないと言う方は、取り敢えず、「アブラメリンの香」を使えば良いかと思います。(「アブラメリンの香」については「魔術の基礎知識 : 聖水、聖油、香の製法 : アブラメリンの香」を参照して下さい。)

(一般的に儀式で使用する「インセンス」とは別に、『777の書』を参考に召喚(喚起)対象の悪魔に照応する香も用意しておきます。悪魔と「インセンス」との照応に関しては「万物照応表抜粋」を参照して下さい。)

・場面によって必要となる道具

『ゲーティア』での記述に沿った召喚(喚起)儀式では場面によって次のものが必要となりますので、これを用意しておきます。

  • 甘い香りの香(インセンス)
  • 木炭と、木炭を燃やす入れ物(香炉、火鉢など)
  • 「シジル」を燻るのに入れる「黒い鉄製の箱」
  • その箱に「シジル」と共に入れる「硫黄、阿魏(Assafetida(アギ、ヒーング))、そのような悪臭を生む物質」

「甘い香りの香(インセンス)」については『ゲーティア』内での種類の指定はありません。自由に選択出来るものと思われます。

・上記以外のその他(元素武器、聖水、油、祭壇、柱、旗、鐘など)

これらにに関しては一般的には良く使うのですが、『ゲーティア(ソロモン王の小さな鍵)』では特に触れられてはいません。必要である、またはあった方が良いと考えるものがあれば、個人の判断で用意するようにして下さい。

― NOTE ―

今回、新たに用意(購入など)、製作した道具については儀式等に使用する前に「聖別」しておく必要があります。また、使用予定の道具が以前からある道具であったり、実際に何度も使用した事がある道具であったりしても、それが確りと「聖別」されているとは言えない状態のものであれば、(使っている内に自動的に「聖別」が成されているかも知れませんが、念のためにここで確りと)「聖別」しておくようにします(危険が伴う儀式ですので)。魔術武器、及び魔術道具の「聖別」については「魔術の基礎知識 : 浄化と聖別」を参照して下さい。

後で作る事になる「シジル」や「ソロモンの六芒星」「ソロモンの五芒星」などの道具についても、(書いてはいませんが)同様に全て「聖別」しておく必要があります。魔術で用いる道具は全て(特に確りそれらを働かせたい場合、その必要がある場合には)「聖別」されていなければなりません。

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