儀式の7日間 - 善霊及び聖なる霊の召喚の3日間

「聖別の日」の翌日、善霊と聖霊との召喚を行います。(英文では「召集(Convocation)」となっていますが、ここでは馴染み深い「召喚」と言う言葉を使う事にしました。)この召喚作業は3日間に分かれて行います。

― 第1日 ―

早朝、自身を少しも洗う事なく、通常の衣服を一切身に着けずに法衣のみを身に着け、裸足で祈りの部屋へと入ります。(この時、術者は「ウリエル」の「スクエア」を描いた黒の絹のベールを被ります。ここ(このサイトで紹介する遣り方)では「依童」を使用する事はありませんが、もし、「依童」を使用するのであれば、「依童」の身を清め、「アダム」の「スクエア」を描いた白の絹のベールを被らせるようにします。)「香炉」の側へと行き、灰を取って頭に乗せます。「ランプ」を灯し、「香炉」に熱い炭を入れ、窓を開けます。「香」を焚き、天使が記述するための「銀の板」を祭壇の上に置きます。準備が終わったら祭壇の前へ跪きます。(「依童」を使用する場合は窓を開けた後、術者は扉へと帰り、術者自身の顔を地面へと着け、そして「依童」に対し、「香」を焚いてから「祭壇」の前に跪くように命じます。この様式では術者は儀式が終わるまでの間、扉の前から動く事はありません。)

術者は自身を卑下し、全ての心を神に捧げ、熱心に祈りを行い、その祈りで自身を燃え上がらせます。その後、部屋全体を満たす驚く程の超自然の輝きが現れ、言葉には尽くせない気配(オーラ?)が術者を囲みます。これが術者を唯一慰め、心を楽にします。そして術者は「主の日」の永遠の幸福について求めます。

天使が現れ、術者は満ち足りた気持ちを体験します。(自身の目で見るためには6箇月の期間中に(そのための)訓練を行っておき、更には精神が純粋である必要があります。そうであれば「依童」は必要ありません。「依童」を使用する場合、天使は「依童」が見る事になります。この時、術者は顔を上げて「祭壇」の方を見てはいけません。ただ天使が現れたらそれを伝えるように「依童」に指示をしておきます。)術者は常に熱心さと好意を強めて祈り続けます。この時、『聖書』の『詩編 138』(源文では『詩編 137』となっています)を低い声で繰り返し唱えるようにします。そして神聖な天使に彼(天使)が「銀の板」に記述(サイン)を行ってくれる事を祈ります。それによって天使は小さい四角の「銀の板」に記述(サイン)を行います。

天使が記述すると同時に、彼(天使)はあなたに必要であろうその他を助言を「銀の板」に書き留めます。その後、彼(天使)は見えなくなりますが、その輝きは残ったままとなります。

術者は小さな「銀の板」を手に取り、その上に書かれている事を直ちに(予め用意してあった)紙などに書き写します。そして「祭壇」にそれ(「銀の板」)を戻します。(「依童」を使う場合は術者は扉の前にから動けませんので、「銀の板」を「依童」に持って来るように命じる必要があります。書き写した後も「依童」にそれを「祭壇」の上へと戻すように指示します。)それから術者は小礼拝堂(「祈りの部屋」)から去ります。この時、「ランプ」は灯したまま、窓は開けたままにしておきます。「銀の板」は最後、綺麗な絹に包んで保管しておいて下さい。この後、この日の間は「祈りの部屋」には入らないようにし、天使の助言に従い以降の準備を行って下さい。

この日は(朝から)誰とも話さずに過ごさなければなりません(「依童」を除いて、それが妻、子供、使用人であっても話さずに過ごします)。そして、術者は予め(次の日以降に)行う事(作業について)の整理を(頭の中で)行い、如何なる不安も持たないでいられるようにしておく必要があります。

術者は夕食の際に飲酒を行わないようにします。それから、休む時も単独で休みます。これらの期間は妻とも別居して生活しなければなりません。

― 第2日 ―

第2日目の朝(この時点では天使が齎した助言に従い準備が済んでいる筈です)、術者は「祈りの部屋」に早めに行き、「香」を焚き、もし「ランプ」が消えていれば再び灯すようにします。そして前日と同一の「法衣」を身に着けます。

術者は顔を地面へと向けて平伏し、そして術者を哀れみ、祈りを聞き届けてくれる主へと卑下して祈り、彼(神)が術者に彼の聖なる天使の幻影を与える事を懇願します。(天使の姿は第1日目では本来は「依童」が見るものとなっているため、術者が姿を見る事が出来るように頼んでいるものと思われます。しかし、術者が既に天使の姿を見る事が出来ているのであれば…それでも取り敢えず、お願いしておきます…。)更に選ばれた霊達が術者に彼らの使い魔を快く与えてくれるように(神の力添えを)願います。この時、術者は大きな熱意、心の底からの信心と共に可能な限り最高の度合いで祈ります。これは2時間、或いは3時間続きます。

その後、祈りの部屋を立ち去ります。そして昼にそこへ戻り、夜にも再びそこへ戻ります。

その儀式の後に食事を行い、その日は休みます。「祈りの部屋」を立ち去っても部屋の中で感じた雰囲気と輝きを感じるでしょう。

― 第3日 ―

第3日は次のように行動します。先ず、前日の夜に全身を洗っておきます。朝、術者は通常の衣服を身に着けて裸足になり「祈りの部屋」へと入ります。この時、「香炉」の火と「香」とは焚かれたままであり、「ランプ」は灯ったままとなっているとの事です。術者は「白い(亜麻布の)衣服」を身に着け、「祭壇」の前に跪き、全ての彼(神)の恩寵と、そして何より多大な財を与えてくれた事に感謝します。

同様に「守護天使」にも感謝します。そして彼ら(術者に特別の、特定の「守護天使」)に祈ります。今後、術者の命が尽きるまで、術者をその管理下に置き、同様に彼(「守護天使」)が決して術者を見捨てないように、そして彼が神の道へと術者を導く事を(祈ります)。彼(「守護天使」)は術者を助けるために注意深く術者を管理し、そして現在の聖なる魔術の作業を承諾し、術者に神の忌々しい霊達を強いる事が出来る力と徳(効力)とを与えてくれます。しかし、これは創造者の威厳(栄光、特権)のためであり、そして術者自身の善、隣人へ行った善(善行)のためです。

術者は最初に、術者の6箇月の期間が申し分ないものであったか如何かを確かめる必要があります。それは術者が主の叡智の探求に於いてそれ相応の努力、苦労を行ったか如何か、また、それらは十分であったか、そして術者が術者の「守護天使」を見た際に無類の美しさで現れたか如何か、同様に術者と会話をし、更に如何なる人の言葉も表わす事の出来ない愛情に満ちた言葉で話したか如何か…と言ったような事で分かります。(そうであれば術者の6箇月が申し分ないものであったと言う事です。)

彼(「守護天使」)は神を畏れる(敬虔な)術者に息吹を吹き込み、術者が神から与えられる祝福を伝えます。更に術者の人生の間、術者が神に背いた事に対して術者へと罪の念を思い起こさせ、術者の純粋で、敬虔で、そして規律ある人生、正直さ、誉められる行い、神が定めたこのような事に対して(反した時に)彼(神)を宥める事が出来る様式を術者に与え、教えるでしょう。

その後、彼(「守護天使」)は術者に真の叡智と聖なる魔術を表わします。そして同様に術者の作業の中で、何処に失敗があるか、術者が悪霊に打ち勝って命令(する過程)に移って以降がどのようであるか、最後に辿り着く、術者の望んだ結末の時がどのようであるかを表わします。

彼(「守護天使」)は術者をその人生が終わるまでの間、決して見捨てずに、守り、助けると誓います。しかし、それは術者が彼の指示に従う事、術者が創造者を自発的に怒らせない事を条件にしてのものです。

術者はこの3日目に「守護天使」と多くの会話をします。午後に(なったら)1時間もしない短時間、「祈りの部屋」を去ります。それから、術者はその日の残りをその中(「祈りの部屋」)に留まり、神聖な天使から悪霊に関する明確で広く十分な情報と、それらを服従させるまでの様式(方法)とを授かります。そして(術者は)それら全ての事柄を書き留め、注意するように心掛けます。

太陽が沈み、術者は普通の「香」を焚いて、夜の祈りを実行します。神に対し、特に彼(神)が術者に適え与えたとても大きな恩寵に感謝し、術者の人生の全ての間、術者を助け、幸運があるように彼(神)へと懇願します。そして、術者は決して彼(神)に背かない事を誓います。次に術者は「守護天使」に感謝し、術者を見捨てないように願います。

術者は祈りが完了すると輝きが見えなくなるので、それを確認し、それから「祈りの部屋」を去ります。扉を閉めて、しかし窓は開けたままにし、「ランプ」もそのままにしておきます。

術者は前日のように自身が穏やかに休養を取る部屋へと戻ります。必要な食物を摂取し、術者は明日の朝まで休みます。

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