儀式の7日間 - 悪霊の召喚(喚起)の3日間

「善霊及び聖なる霊の召喚」の3日間を終えた次の日から「悪霊の召喚(喚起)」に入ります。(英文では「召集(Convocation)」となっていますがここでは馴染み深い「召喚(喚起)」と言う言葉を使う事にしました。これは実際には「喚起」に当たります。)この召喚(喚起)作業は3日間に分かれて行います。

最初にこれから召喚(喚起)する事になる悪魔の紹介を行っておきます。多くの悪魔が書かれていますが、実際に名前を憶えておかなければならないのは「4人の上位王子」、そしてそれに次ぐ「8人の下位王子」ぐらいかと思います。この「8人の下位王子」の配下の霊達は実際にはその数は無限だと言われています。ここに書かれているのはその中からの確実なものだけであり、(悪霊)全体の内の極一部だと考えて下さい。「8人の下位王子」の配下の霊達については、2日目の作業で術者が自分に必要だと思えるもの(霊の名前)を全て紙に書き出し、それを「下位王子」に渡す事になります。この時、自分にとってどの霊が必要かは天使の判断を仰いだ方が良いと思います。これらについては詳しい情報もなく、数多い中から必要なそれを選ぶ事は自分だけでは大変でしょうから。(表中にある全ての霊を書き出す事も考えられますが…お勧めは出来ません。)また、ここに書かれていない霊については術者の天使(「守護天使」)に聞くと良いでしょう。2日目に一覧に書き出した(名前の)霊達は3日目に「下位王子」達と共に現れます。

愈々、実際の悪魔召喚に入りますが、その前に…以下にある大部分については必要ないものと思われるものです。なぜならば、ここまで進んだ術者は「守護天使」から術者が果たすべき全ての事を既に与えられている筈だからです。以下にある内容は念の為のものであると考えて下さい。全体を通しての注意事項については(これも「守護天使」より授かっているはずですが)、本文の中に織り込むと長くなってしまうので「NOTE 2」に纏めて書き出しておきました。

― 第1日 ―

夜の間は休みを取り、術者は夜明け前に起きます。そして「祈りの部屋」に入り、「香炉」に熱い炭を入れ、「ランプ」に火を灯し、最初に「白い(亜麻布の)衣服」を身に着け、その上に「絹の赤い外衣(法衣(ローブ))、或いはマント」を身に着けます。(作業時の衣服に関しては、普段、自分が作業に使っているのと同じ型の「法衣(ローブ)」であっても構わないかと思います。指定のものと違っていても、魔術用の「法衣」であれば、少なくとも不都合が出る事はないかと(そのような要素はないかと)思います。)それから「帯(ガードル)」を着け、頭に「王冠」を被り、「祭壇」の上に「魔法の棒」を置きます。その後、術者は「香」を焚き、「祭壇」の前に跪きます。そして全能の神に祈ります。彼(神)の聖なる名の栄光と賛美とへの術者の作業を完了させるために、そして術者自身や術者の隣人のために、恩寵を与える事を(祈ります)。

それから術者は右手で「魔法の棒」を持ち、「モーセ」「アロン」「エリヤ」や多くの預言者たちに彼(神)が与えたのと同じだけの神の徳と力をその棒に与える様に祈ります。

次に、「祭壇」の側に立ち、扉と開かれたテラスとの方(扉が開かれたテラスの方)を見ます。(本質的には召集する霊に適した方角へと向かうのが最善なのでしょうが…このテラスに呼び出す様式に於いては術者が向かう方角は必然的に「テラス」となります。)そして召喚(喚起)する作業を始めます。

霊を召集する方法についても天使が既に術者に教えいる筈であり、そして術者の心に十分に刻み付けられている筈です。

初日に召集すべき霊は、「4人の高位王子」です。(即ち、[ Lucifer ] [ Leviathan ] [ Satan ] [ Belial ] の4人です。)

神への畏れを以て、神への服従の権力によって霊を呼び出します。彼らの破滅と堕落とについて、神が彼らに行った裁きについて、更に善の天使と賢人達とが悪魔をどのように打ち負かしたか、そして彼らの隷属の義務についてを詳しく述べます。(これらの事は術者は準備の6箇月の間に神聖な書物によって十分に学んでいる筈です。)

そして、彼らに服従する気が見られない場合は、術者は、彼らを凌駕する神聖な天使の力の助力を受けて彼らを脅します。術者の「守護天使」は術者がこの召集を実行するに当たって、慎み深く、(悪霊達に)臆病だと思われないようにし、勇気を持って、穏和で、威圧的な態度をとらないようにとしていますので、それらに気を付けながら悪霊に接するようにして下さい。

彼らに反抗する傾向があり術者に従う気がないとしても、術者はそれに対し怒ってはいけません。それは単に自身に損害を齎すだけです。彼らはより一層に頑なになるでしょう。彼らはそう言う存在です。そこで術者は、勇敢な心と落ち着いた心を持ち、術者の神への全幅の信頼を背に彼らへ屈服する事を熱心に説いて行きます。彼らに術者が実存、唯一の神を信頼している事を見せ、彼(神)が如何に強力で、力強いかを彼らに思い出させます。術者はこの時、自身を抑制し、用心深くあるようにして下さい。

そして彼らに術者の望む姿で現れる事を伝えます。(本文の注釈には、常習的な呪文での言い回しで霊が「どのような奇形、あるいは歪みもない人間の姿で」現れよと命令される事を思い起こす…とありますので(即ち、術者の望む姿で霊を出現させようとする際に良く使われる言い回しで思い起こすのは「どのような奇形、あるいは歪みもない人間の姿で現れよ」であるが…と言う注釈です)、そのように命令するのが良いかと思います。)その姿は術者も、また彼ら自身ですら決定する事が出来ません。しかし術者は前日の夜に術者の「守護天使」に対してこれを求めるべきです()。天使は術者よりも術者の性質と体質とをよく知っており、そして術者が恐れる形を理解している存在だと言えます。(術者は)それ(天使に助力を求める事)により視界を保つ事が出来ます。

( 何故ならば、悪魔の姿は恐ろしく、彼らの見た目は衝撃的であり、臆病な個人であれば彼(の姿)が原因で気質を失ってしまうためです。)

遂にそれらはテラスの砂の上に命令された姿で現われます。術者は、術者の聖なる天使からの教えと助言とに従い、(そして「アブラハム」がはっきりと以降に於いて術者に教えるように、)以下のように彼ら(「4人の高位王子」)から彼らの誓いを受け取る作業、即ち、術者に忠誠を誓わせる作業へと移ります。

「4人の至高の王子」が目に見えて現れた時、術者は『聖書』の『詩編 91』(原文では『詩編 90』となっている)を普通に話す程度の声で唱えるようにします。この『詩編 91』は悪霊に命令する時にも常に唱えなければならないと言う事を忘れないで下さい。それから第一の要求を行います。この先も術者は天使の指示により進む事になります。

第一に ― 。術者が彼らへと要求するのに用いている徳、力、権力が何であるかを彼らへと伝えます。即ち、それが、我らが主、あらゆる彼(神)の創造物(生けとし生けるもの)に従うべく彼らを造り、そして術者の足元へと彼らを齎せた神の徳、力、権力によるものであると(言う事を)。

第二に ― 。術者の目的が有害な好奇心では一切なく、神の名誉と栄光、そして自身の幸福、更には人類全へと向かっている事(を伝えます)。そして、この先に術者が彼らを招集するであろう全ての時に、どのような合図や言葉、どのような時間、場所であっても、更にどのような命令や奉仕であっても、彼らが少しも遅れる事なく直ちに現れ、そして術者の命令に従うようにと伝えます。

加えて、万が一、この事に関して正当な理由の障害がある時(正当な理由があって術者の要求に従えない時)は、彼らは術者へと直ちにその他の霊を送る事とし、それは術者の意志と要求とに従い彼ら(来られなかった者達)の代わりとして(術者の命令を)成し遂げる能力がある力強い霊であるように(そのような霊を送る事)と伝えます。そして最後に、彼らは最も厳格な神の審判によってこれらに従う事を約束し、誓う事とし、更に聖なる天使の最も厳しい処罰と懲罰とによって彼らに(これらを)負わせる事を伝えます。

彼らは服従を誓います。更に「4人の至高の王子」達は(これら4人と同様の誓いを立てるため2日目に彼らがこの場所に送る事になるであろう)「8人の下位王子」の名前を術者に示します。この「下位王子」は次の日の朝、術者に命令された場合、直ちに現れます。彼ら(「高位王子」)が「8人の下位王子」を(契約()に基づき)正しく送るためです。

( この「アブラメリンの魔術」で行われた悪魔との契約は神と天使との強力な力で約束させたものです。術者との間での約束とはなっていますが、その間は神と天使との強力な力があり、悪魔はそれよって縛られます。神と天使との力の下に主従関係を保ち、術者はそれを以て命令するのであり、もし術者の言う事を聞かなかったり、術者に対して悪さをしようとしたりすれば、その力を以て罰するだけです。契約とは言っても術者と悪魔との間で交換条件のようなものを結んで契約したものとは大きく違います。)

術者は大きな確信と共に「祭壇」を離れ、そしてテラスに面し、外へ(「魔法の棒」を持った)右手(のみ)を出します。彼らのそれぞれを「魔法の棒」に触れさせ、「棒」に誓いを立てさせます。

「高位王子」達にこの場から去り、あるべき場所へと帰る事を伝えたら第1日目の作業は終了です。(この(「アブラメリンの魔術」の)場合、悪魔は術者から解放される事を強く望んでいるため、この場を去るように伝える、または命令するだけで自ら遠くへと去って行きます。そのためここでは特に手の込んだ「退去」の作業は必要ありません。)

― 第2日 ―

続く日、通常の祈りと前述(第1日)の(「高位王子」を呼び出す)儀式を(同様の手順で)進めて行きます。そして術者は前述の霊(「4人の高位王子」)のための呼び出しを行うところまで来たら、前述のように暫く(その呼び出しを)繰り返し、前日に彼らと交わした「8人の下位王子を術者へと送る」と言う約束と契約とを(彼ら(「高位王子」)に)思い起こさせて、全体として12人の霊(「高位王子」の4人と「下位王子」の8人と)を呼び出すようにします。(「8人の下位王子」は [ Astaroth ] [ Magoth ] [ Asmodeus ] [ Beelzebuth ] [ Oriens ] [ Paimon ] [ Ariton ] [ Amaymon ] 。)それから直ぐ、彼らは目に見える形で現れるでしょう。この時、「8人の下位王子」は指示されていた姿で現れます。そして彼らは術者に(忠誠を)約束し、誓うでしょう(以下にて)。

「8人の下位王子」を呼び出したら、術者が既に「4人の至高の王子」に行ったのと同じく、同様の要求と訓戒とを彼らへと行います。

(この先(3日目に)、術者はこれら(8人)の内の4人、即ち、[ ORIENS ] [ PAIMON ] [ ARITON ] [ AMAIMON ] に彼らの各々の使い魔を術者の使い魔として与え、託す事の要求を行う事になります。それにより彼らの使い魔は生まれたその日から術者へと仕える事を強いられます。術者へと与え、具えられたその従者達は共に、以降、術者へと従う事でしょう。)

「8人の下位王子」に誓わせた後、術者は彼らへと配下霊の要求をします。ここで要求した霊は3日目に彼らによって術者の前へと連れて来られ、術者は同様にしてその配下霊達と契約を結ぶ作業を行う事になります。しかし、彼ら(その他の霊)の数は無限であるため、術者はその中から自分が従わせる事を望む(「下位王子」の配下の)霊、即ち、術者が自分にとって必要だと考える霊の選定を(「下位王子」に要求するに先立って)行う必要があります。(これについては天使の助言を求めると良いかも知れません。「奉仕に於いて、より多くの事に対し熟練した者(霊)」を見極める事が大切かと思います。)そして術者は「8人の王子」に対して、彼ら(即ち、選定の結果、術者が必要だと考える「下位王子」の配下の霊)の名前のを書いた一覧をテラスへと出します。更に術者は、「4人の至高の王子」と果たした誓いを以て彼ら(「下位王子」)へと(3日目に一覧の霊を術者の前へ連れて来るように)要求を行います。次の朝、彼ら(「下位王子」)が術者の前に、術者が書面で与えた名前の全ての霊と共に、また、術者に与えられる事になる使い魔と共に現れる事になります。

全てが終了したら前日と同じように「下位王子」達を退去させます。

― 第3日 ―

3日目の呼び出しは、2日目のそれと同じです、「8人の下位王子」の忠誠の約束と誓いを思い起こさせ、彼らの全ての配下と共に彼らを呼び招集します。その後、彼らは目に見える姿で再び現れます。そして、それぞれの配下の一団の全てが、目に見えない姿で現れ、「8人の下位王子」を囲みます。しかし、この間も、術者の主なる神の力と加護とを、そして術者の聖なる天使の助言と助力とを呼び掛け求め、天使が術者に教えた事を決して忘れてはいけません。

「8人の下位王子」は術者が(前日に)指定した全ての霊を送って来るので、今度はそれらに対して契約させて行きます。

術者は [ ASTAROT(元の写本では "Atarot") ] と共に彼に従う全てに対し、「天使が術者に指定する姿」で眼に見えて現れるように命令します。そして直ちに、術者は指定した姿で現れる大きな軍団を確かめる事になります。

術者は彼ら(配下の霊)に、既に王子達に行ったのと同様の要求を行います。そして術者は彼らに(王子達と)同様の事を述べ、誓いを立てさせます。即ち、術者が彼らの名前の一人一人を呼ぶそれぞれの時に、術者の指示した場所と姿で即時に現れ、術者が彼(呼び出した霊)に命令した事を確実に実行するようにと。術者は全ての霊に(その様に)誓わせて、「第三の書」に記された「スクエア」の [ ASTAROT(写本では Atarot) ] だけに属する全てをテラスの砂地へと置きます。そして彼と彼ら( [ Astaroth ] の従属的な霊)とに対し、その場で直ちに、次のような事を誓わせ、定めます。それ(「スクエア」)が見えない場合でも、術者の言葉での命令に対応する事を、そして術者が図表の1つを手に取った時、直ぐに、図表が持つそれ(内容)を実行し果たす事を。更に、言葉、心、身振りに係わらず、術者の意図するところを実行する事を付け加えます。また、特に名前の書かれていない図表についても同様にするようにと。

常に命令した作業を即座に快く実行する事を強制させ、そして再び来た時、ここに含まれていない「術者によって(新たに)作られた他の図表」についても彼ら( [ Astarot ] の配下の霊)に同じように必ず認め、実行するようにと(強制させます)。

これらの誓いを終えた後、後ろに立つものの名(御存知の名、唯一神)に於いて、王子(ここでは [ Astarot ] )を「棒」に触れさせます。この後、テラスから図表を回収します。

次に [ MAGOT ] を呼び、彼の後で [ ASMODEE ] を、最後に [ BELZEBUD ] を呼び出し、そして術者が [ ASTAROT ] に行った全てを彼らに対し行い、全ての図表に誓わせます。(それぞれの配下の悪魔に対しても同様に行います。)それら(「スクエア」)を別の場所へと片付け、それを術者が目的、作業、効果、属する霊別にし、一つ一つを容易に判別出来るように整えておきます。( [ MAGOT ] の時は「MAGOT と KORE(とその配下にある霊達)」であるものと思われます。[ MAGOT ] が単独で支配している霊は一覧表にはありませんので。)

その後、術者は [ ASTAROT ] と [ ASMODEE ] とを共に、彼らの共有の従者と一緒に呼び出します。そして彼らの図表を提出し、先に触れた様式で彼らに誓わせます。術者は同様の方法で [ ASMODEE ] と [ MAGOT ] とを彼らの従者と共に呼び出し、そして彼らに前述の様式で彼らの「スクエア」に誓いを立てさせます。

このように術者は他の「下位王子」に(即ち、[ Oriens ] [ Paimon ] [ Ariton(EginあるいはEgyn) ] [ Amaimon ] に)この手順を執行します。しかし、最初に彼らと彼らの(4人に)共通の従者とを召集し、そして彼らに共通の図表に誓わせなければなりません。それから [ AMAIMON ] と [ ARITON ] とその共通の従者に対し、こちらも同様に行います。最後にそれぞれ(個別)に対し、同じように行います。

そして術者が全ての図表を回収し終えた後、これらの最後の4人各々にあなたの使い魔を要求します。(即ち、[ Oriens ] [ Paimon ] [ Ariton ] [ Amaimon ] のそれぞれからの1つの使い魔を。)彼らにその名前を言わせ、術者はそれを直ちに書き取ります。加えて、彼ら(使い魔)に術者への奉仕の義務を負わせるこの間、術者は彼らに「第三の書」の第5章( [ 05-01 ~ 05-12 ] )の「スクエア」を提示します。そして彼らにこれらの図表に集合的(全体的)に誓わせるだけでなく、それぞれ(の「スクエア」)に対し個別(使い魔毎)に行うようにもします。彼はこの時から先、正しく良く働く事を(1日の内の)6時間は運命付けられます。即ち、それぞれの4人の使い魔は1日の24時間の4分の1の1つを仕える事になります。それは6時間です。そして術者は彼らに対し、術者に忠実に仕え、彼らが果たさなければいけない全ての事と、術者が命じ、彼らが実行する仕事(奉仕)と、彼らが最低限、術者を尊敬し、嘘を吐く事なく不誠実にない事とを約束させます。更に、術者が彼ら(使い魔)の1人を他の個人へと貸し出した時も、彼が術者に対するのと同様に(貸し出した相手に対して)忠実に行動する事を約束させます。最後に、彼らが(術者の命令を)果たし、実行し、達成する定めにあると言う事、それは神が彼らを罰するために彼らへと定めた裁きの判決によるものである事を伝えます。(即ち、術者の命令に逆らえば神の懲罰が与えられると言う事を伝えます。)

全ての王子達に対して、そして全ての図表に(対して)誓わせたか、4人の使い魔と(「下位王子」の)支配するその他の霊に対して誓わせたかを確認して全ての悪魔を退去させます。霊に「退去の許可」を与えた後、「祭壇」の「香炉」を霊のいたテラスとその周囲とに対し焚きます。これは霊が近づき、悪事を起こさないようにするためです。(1日目、2日目の悪霊に対する「退去の許可」の後にも同様に行うようにします。)術者はその後、テラスから全ての砂を持って行き秘密の場所へと隠します。これは川や航行可能な海に投げないように注意して下さい。また、今後、掲載されている図表以外について手に入れる事を望むのであれば、砂やその他のものはそのまま残し、「祈りの部屋」を完全に清潔に保っておくようにします。「祭壇」についても同様ですが、邪魔になるようであれば端に移動させておいても構いません。このようにしておけば(新たに図表を授かる事も出来ますし、)毎週土曜日に守護天使と語る場として(も)使用出来ます。(天使との会話はこの「神聖なる術」で望む事が出来る最も崇高なものの1つであるとされています。)しかし、新しい図表の製作や天使との会話を必要としないと言うのであれば、全ての道具の片付けを行います。これについては、特にその日の内に直ぐにと言った事はないようです。例えばこの日はゆっくりと休んで、次の日に行っても良いかと思われます。

以上で全ての作業の終了となります。

― 纏め ―

かなり長くなってしまったので、最後に以上の3日間を簡単に纏めておきます。

第1日目 ― 。「4人の至高の王子」達を召喚し、約束を取り付ける。

第2日目 ― 。「4人の至高の王子」達と共に「8人の下位王子」達を召喚し、彼らと約束を取り付ける。次の日に連れて来させる配下の霊達の一覧表を作り、渡す。

第3日目 ― 。「8人の下位王子」達とその配下の霊を召喚し、それぞれに対応する「スクエア」を見せ、約束を取り付ける。順番は以下の通りです。

  1. [ ASTAROT ] とその配下
  2. [ MAGOT ] (と [ KORE ] ) とその(共有の)配下
  3. [ ASMODEE ] とその配下
  4. [ BELZEBUD ] とその配下
  5. [ ASTAROT ] と [ ASMODEE ] とその共有の配下
  6. [ ASMODEE ] と [ MAGOT ] とその共有の配下
  1. [ ORIENS ] [ PAIMON ] [ ARITON ] [ AMAIMON ] とその共有の配下
  2. [ AMAIMON ] と [ ARITON ] とその共有の配下
  3. [ ORIENS ] と配下
  4. [ PAIMON ] と配下
  5. [ ARITON ] とその配下
  6. [ AMAIMON ] とその配下

最後に [ ORIENS ] [ PAIMON ] [ ARITON ] [ AMAIMON ] にそれぞれの使い魔を要求します。

― NOTE 1 ―

「術師アブラメリンの聖なる魔術書」には「悪魔の一覧表」の後ろに個々の悪魔に対しての「メイザース」の注釈が書かれていますが、然して重要とも思えないため(「8人の下位王子」を除き、各名前の語源が書かれているだけのものが殆どです)、ここではそれを取り上げずに済ませました(日本語訳本でも切られています)。時間があれば翻訳して追加するかも知れませんが…。

― NOTE 2 ―

以下、注意事項の書き出しです。

霊に語り掛ける際は母国語、日常的に使っているもの、または十分理解出来、正確に発音出来るものを用います。これはこの魔術全体に言える事でもあります。

術者は作業の間、どのような失敗(罪)も犯すべきではありません。例えそれが少しであってもです。

術者は完全な信頼こそが武器であり、力であり、神の全能の力に与る唯一の手段です。それにより術者は最大の安全の中にいる事になります。術者の天使の保護はあらゆる危険から術者を守ります。これは術者が善なる勇気を持っているべき理由であり、如何なる災難も術者に起こる事がないと言う自信を持っているべき理由です。術者の天使が術者に与える教えに注意を払い、神への完全なる信頼を持った揺らぐ事のない心を心掛けて下さい。

祈りの際は決して言葉のみによって、または書かれた事だけによって進めてはいけません(決められた事をそのまま実行するだけでは行けないと言う事です)。そこには自発的な心と勇敢さ(勇気)とを必要とします。

ここでは術者は別の方法でこれ(作業)を行う事を考えてはいけないとされています。即ち、印や呪文、迷信的な図、五角の星型、他の忌まわしいものによって(行う事を考えてはいけない)。これらの使用は(ここでは)悪の魔法使いによるものだとされており、恐ろしい悪魔が術者を買う硬貨だとされているからです。(このように書の中にはあったのですが、これは正確ではありません。ユダヤ人「アブラハム」がそう述べているだけの事であり、とても正しいとは思えないので、ここでは気にしないようにします。「メイザース」も当然、この点については注釈で否定しており、そして殆ど全ての五角星型は神の、または天使の名前の記号と神秘的言葉とからなるもであると言っています。)

善よりも悪霊を呼び出すことの方がより多くの困難を伴います。(それは術者が(善の心を持つ)自身のために役立てようとそれら(悪霊)を召集すためです。これが、魔法の力を得るためにそれら(悪霊)と協定を結びたいと考える悪人であれば、彼ら(悪霊)は直ぐに来るとされています。)善の霊は善の目的の個人による呼び出しならば簡単に現れますが、悪霊は人間が(悪霊を)服従させようとする全ての場合に於いて逃避する事が可能だからです(即ち、悪人ならば悪霊を簡単に呼び出せ、善人ならば善の霊を簡単に呼び出せるが、善の心を持った人間が悪霊を呼び出すのには困難が伴うと言う事です)。この事から術者は彼(悪霊)を強制したいと思う時には用心しなければなりません。そして、守護天使が与える指示を十分に心に刻み付けて、それを忠実に遂行するようにして下さい。如何なる善、悪の霊も、術者自身が明るみに出さない限り術者の心の内を知る事は出来ません。唯一その全てを知る神でなければ。しかし、彼ら(霊達)はそれにも係わらず、術者が考えるところを術者の行動と言葉とを手段として観察し、理解し、術者の未熟さを見付けようと試みます。そのため術者は、書いてある事をそのまま実行するのではなく、心による感覚で行うようにしなければなりません。なぜならば(書いたものは)他の者によって構成されたものだからです。(他の者によって構成されたものを使ってもいけないと言う事です。)霊はそこから術者自身が無知だと判断します。そして、彼らは直ぐにより手に負えなく、頑なになります。悪霊は(見えなくとも)自分達を呼び出した術者を、勇気があるか、または臆病か如何か、彼(術者)が慎重か如何か、術者が全てのものを容易に実行する神の信頼を持つ者か如何かを熱心に調査(見抜こうと)します。この事から、このような性質の個人(これらの事が出来ていない人間)は少しもこの作業を着手すべきではないと言えます。

術者は悪魔達に対し礼儀を以て接するようにし、強い態度に出るのは彼らが抵抗した時だけにします。悪魔達が術者に服従せず、反抗を示した場合も直ぐに強い口調で言い付けるのではなく、天使の助言を仰ぎながら冷静に対処するようにします。悪魔と接する時は神への信頼を強く持ち、常に天使の助言を守るように気を付けていれば大丈夫かと思います。(悪)霊が質問や要求をしてきた場合も決してそれに従わず、悪魔の言いなりにならないように注意して下さい。こう言った場合もやはり天使の助言を得ながら対処して行く事になります。術者が強い態度に出るのは手を尽くしても彼らの抵抗が収まらない時となります。

(こう言った、悪魔召喚(喚起)儀式に対しての注意点や、我々が霊の質問に何を答えたら良いのか(霊の質問に対する答え方)、我々が彼らの要求に抵抗すべき方法、また、霊に対する振舞い方などについては、6箇月の祈りの日の後、天使によって完全且つ明快に教えられている筈です。)

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