「10」・「マルクト」は何時と変わらずに、観念の純然たるエネルギーの極致を表わします。それは狂気に陥った理性、魂を持たない機構(メカニズム)の今にも倒れそうな騒乱を示します。それは狂人の論理と哲学者の論理(大部分はこの方)を象徴します。それは、現実から分離された理性です。

「双子宮」における「太陽」によって同様に支配されます。「(双子)宮」の(支配惑星)「水星」の「風」的な特質は、「太陽」の光線を分散させるものです。故に、このカードは調和がとれた安定しているエネルギー(「太陽」の光線)の崩壊と混乱を示していると言えます。

剣の柄は「生命の樹」の「セフィロ」の位置を占めています。しかし、[ 1 ～ 5 ] まで、及び [ 7 ～ 9 ] までの剣の先端は、「太陽」・心臓・「コクマー」と「ビナー」との子供を象徴する中央の剣(「6」)に触れ、それを打ち砕いています。第「10」の剣も、また、破片となっています。それは、知性の破滅であり、そしてあらゆる精神的、道徳的特質の破滅でもあります。精神は全ての統制を欠き、激しい苦痛と狂気が渦巻いています。背景に見えるのは爆発する破壊の火炎です。