「9」・「イェソド」は「生命の樹」の「中央の柱」へとエネルギーを復活させます。先の無秩序(混乱)がここで改められます。しかし、このスートの一般的観念(大意)は絶えず堕落してきました。剣は最早、純粋な知性を表わさずに、熱意のない感情の自動的な発動を表わしています。意識は理性によって啓発されない領域へ陥りました。これは無意識の原始的本能、精神病者、狂信者の世界であると言えます。

「双子宮」における「火星」が天の支配者です。これは抑制なしに作用する剥き出しの激しい渇望を示します。しかし、その形態は飽く迄も知的なものであり、それは宗教裁判官の気性であると言えます。カードには先端下方へと向けている長さの異なる9本の剣が見られます。それらの刃は欠けて錆び付いており、そこからは毒液と血が滴り落ちています。このカードにも扱う方法はありますが、それは消極的な抵抗、放棄、受難の受諾と言ったものです。そこには容赦のない復讐と言った異質な形式は含まれていません。背景は結晶化した涙です。