XXI. The Universe (宇宙) ― トートタロット

トートタロット 大アルカナ ― XXI. 宇宙
[ XXI. The Universe (宇宙) ]
画像引用元 : U.S. GAMES SYSTEMS, INC. 「THOTH TAROT DECK」
このカードの第一に、そして最も明らかな特徴は全ての終わりに現れると言う事です。 そして、それ故に「0. 愚者」を補完するものです。 それは「タウ」に割り当てられます。 2枚のカードを合わせると、本質を意味する [ ATh ] (「愚者(アレフ - A)」と「宇宙(タウ - Th)」)と言う語を綴ります。 全ての実現は、これら2つの文字が始めと終わりとを形成した連続体(「アレフ」から「タウ」までのアルファベット)に於ける影響(反映)compromised inの結果です。 始めは「無」でした。 終わりは同様に「無」で違いありません。 しかし、以前に説明したように、完全な拡張された「無」です。 「2」より寧ろ「4」がこの拡張の基礎として選ばれたのは、 話の宇宙を大きくするのに、ある程度制限のイデアを強調するのに、ある程度都合が良い事に如何なる疑いないためである。

「XXI. 宇宙」は「0. 愚者」より始まる「大いなる業(魔術)」の完成、完了を表現しています。 そして、「0. 愚者」との間にある20枚のカードはこの「大いなる業」の完了へと至る各段階であり、その代理人達です。

七惑星の「土星(地)」に配属され、ヘブル文字の「タウ(十字)」に対応します。

「タウ」は4倍の拡張と言う意味を持ち、 絶え間ない自己補償的変化によって空間と時間の変化に対応する事が出来ます。 「生命の樹」の上で「タウ」は「変化と安定」の均衡として表わされます。

「宇宙」は最後のカードであり、「0. 愚者」の補完者です。「愚者(アレフ - A)」と「宇宙(タウ - Th)」との両カードは、共に「Ath(エッセンス、本質)」と言う語の中に含まれています。タロットは「愚者」に始まりこの「宇宙」で終わりますが、それは無から始まり無で終わると言う事です。しかしその(「宇宙」の)無は完全に拡張された無です。「タウ」は十字であり、拡張を意味するからです。そして「愚者」へと帰します。終わりは始めの始まりとして続きます。

「タウ」は「生命の樹」では「イェソド」の「月」から放射されます。「イェソド」は「樹」の「基盤」であり、再生の過程を表わし、「変化と安定」の釣り合いと言うよりも、寧ろ、その両者の同一性を象徴しています。そしてその影響は「地球」である「マルクト(娘)」に及びます。

「タウ」は「土星」に属し、その鈍重な性質から(七惑星で最も動きが遅く、重いと考えられている)「地」の要素が性質として付加されています。「土星(鈍重、老齢で不活発)」と「地球(地)」とは重量、低温、乾燥度、不動性、不活発さなどの幾つかの共通点を持っています。

「土星」は「女王の色階」の「黒」に応じ「ビナー」に表れます(「土星」が配属される径と「ビナー」に於ける「女王の色階」は共に「黒」であり、「ビナー」に対応する天球は「土星の天球」となっています)。

そして、「マルクト(地球)」の「地」の部分、4色(檸檬色(大気)、オリーブ(水)、小豆色(火)、黒(地))の中に見られる「黒(地)」は、光の集積の果てに生じる純粋色の劣化の極点と言う最低概念と、この「ビナー」の「黒」とを結び付けています。

即ち、「マルクト(娘)」はその最低の部分によって、純粋なる母、「ビナー」との同一性を有していると言えるのです(「大いなる業」において「娘」が「母(ビナー)」、「霊の玉座」に据えられる事を思い起こして下さい)。

そして、「黒さ」は太陽に由来するものです。「オシリス神」も「黒人」であったと言われています。従って、「土星」は男性であり、そして古からの神にして豊穣の神(「土星」の神、「クロノス : Cronos, Cronus」、「サトゥルヌス : Saturn, Saturnus」)、南方での太陽(生命を刈り取る神としての「サタン : Saturn」)であり、それと同時に「偉大なる海」、「偉大なる母」(共に「ビナー」)でもあると言えます。

「愚者」が「大いなる業」の始まりを象徴しているのに対し、「宇宙」はその「業」の完成の彫像が描かれています。「愚者」は顕現に向かおうとする消極でしたが、「宇宙」は業の成果の顕現です。そして、目的を達成すると直ぐに戻ろうとします。

この「宇宙」の像は処女の像であり、「テトラグラマトン : Tetragrammaton(IHVH)」の「最後のヘー(H)(娘)」で表わされます。

「新しい永劫(ホルスの永劫)」のカードでは、彼女はとぐろを巻いた大いなる大蛇と踊っている姿で描かれています。

彼女は両手で「能動」と「受動」を操り、渦巻きの力を放射しています。

「月」を手に持ち踊る彼女の相手は、神の眼に同化した「太陽」、「XIX. 太陽」の「ヘル=ラ=ハ : Heru-ra-ha(ホルス)」です。この2つの惑星は肯定と否定の2つの力を象徴しています。

カードの四隅には「ケルビム : Cherubim」が描かれています。これは完成された「宇宙」、「宇宙」の成立を表わしています。

その周りには72の円からなる1つの楕円があり、それは十二宮の5度分角、「シェムハムフォラシュ : Shemhamphorash」を表わしています。

カードの中央部下には物質の家の建築骨組図が描かれています。

カードの中央には光の輪が「生命の樹」の形態を手ほどきし、太陽系の主要な十惑星を示しています。しかしこの樹は純粋無垢な心の持ち主以外には見る事が出来ないとされています。

そして、それら全ての象徴は複雑で果てしない輪と渦巻きの環境を滑るよに進み、踊り行きます。

「新しき永劫」のカードでは充満した光がそこにあります。

「小世界の図(Minutum Mundum)」において、「地球」は黒でも混色でもなくなり、全く鮮明な緑色(純粋な大地の色)になります。同様に、真夜中の空のベルベットの青が「土星」を藍色(「王の色階」)に染めます。踊る乙女はここから現れ、ここを通って神(エターナル)へ向かうのです。

「新しい永劫」のこのカードは他のどのカード゙よりも明るく、鮮やかに燃え立っています。

[ トートタロット 大アルカナ : XXI. 宇宙 ]
番号 21
称号 宇宙
生命の樹の小径 9 - 10(イェソド - マルクト)
対応ヘブル文字 タウ(数価 400 : 配属 土星 : 意味 タウ)
777 キー スケール 32
カードの意味 問題自体の本質、統合、事件の終了(場合によっては遅延)、抵抗、頑固、惰性、辛抱、忍耐、困難に際しての粘り強い不屈さ。関わり合いのある事柄全般の具体化。
カウンター
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