0. The Fool (愚者) ― トートタロット

トートタロット 大アルカナ ― 0. 愚者
[ 0. The Fool (愚者) ]
画像引用元 : U.S. GAMES SYSTEMS, INC. 「THOTH TAROT DECK」

「愚者」は無垢であり、無邪気な存在です。四大の「風」に配属され、ヘブル文字の「アレフ(雄牛(鋤)の意)」に対応します。この「愚者」における「風」は第五元素的な意味での「空、空虚」を指しています。「ケテル」よりの第一流出であり、「ケテル」の性質の一部を受けています。

「愚者」は、春の祭りの「グリーンマン : Geen Man(緑の守護者)」であり、ケルトの大いなる愚者「ダルーア : Daluah」であり、富める漁師「パーシヴァル : Parsival」であり、沈黙の神「ハーポクラテス : Harpocrates(ホール=パアル=クラアト : Hoor-Paar-Kraat)」であり、葡萄酒の幼児神「ディオニュソス ザグレウス : Dionysus Zagreus」、両性具有的性質を持つ酒の神「バッカス ディフュエス : Bacchus Diphues」であり、全能神、大気の神、単為生殖を行う「ゼウス」(両性具有的とも考えられる)、「ゼウス アルヘノテルス : Zeus Arrhenothelus」であり、「バフォメット : Baphomet」であると言えます。(このカードの象徴性を深く理解するためには、これらについてを知る必要があります。)

カードの番号は「0」であり、それは「生命の樹」より上にある万物の根源を示しています。「愚者」は宇宙の平衡、対立する物の最初で最後の均衡であり、「父性」と「母性」との同一性であると言えます。しかしそれは男性の性質と女性の性質の両方を持ち合わせている(即ち、両性具有的)と言うよりは、性別の分化が成されていない(未分化の)状態です。

「愚者」(の肌)は「風」の黄金色をしています。

服は春の緑色であり、靴は男根の黄金色です。

頭部には「ディオニュソス ザグレウス(バッカス ディフュエス)」の角が生え、その間には白い光の円錐(男根)があります。白い光は「ケテル(王冠)」から注がれる力を表わしています。

彼の右手には白い角錐、左手には燃える松毬が持たれています。

肩には豊穣、優しさ、法悦の基盤である葡萄が掛けられています。葡萄の茎は愚者を介し七色となり、愚者を三重に取り巻いています。これは「否定的三重のヴェール」(「Ain : アイン(無)」「Ain Soph : アイン ソフ(無限)」「Ain Soph Aour : アイン ソフ アウル(無限光)」)を表わしています。

その茎の上に添って「ヴェヌス : Venus)」(「イシス: Isis」、または「聖母マリア : Mary」)の鳩、(全ての雌であり、「風」によって孕む)「マウト : Maat)」の禿鷲、蝶(「風」の属性)と双子の蛇が絡む翼のついた球体(「カドゥケス : Caduceus」)が見えます。

葡萄の後ろに見える袋には沢山のディスクが詰められています。

彼の足には虎がじゃれつき、足の間には三位一体となっている花と、抱き合っている双子の幼児が見えます。

「愚者」の足元には鰐(鰐神「セベク : Sebek」、「セト : Set」の息子「マコ : Mako」を象徴)がいます。鰐は相互に対立する2つのもの(対立物)の象徴です。鰐がいるのはナイル河(父性)であり、こには蓮の茎(母性)が見えます。ナイルの鰐は「愚者」を取り巻く茎、「否定的三重のヴェール」に噛み付いています。

背景は宇宙の夜明けの時を表わしています。

「ハーポクラテス(ホール=パアル=クラアト)」の姿勢をとる「愚者」は、そこより飛び出して来たかのように見えます。

カードの中心には輝く「太陽」が配置されています。

[ トートタロット 大アルカナ : 0. 愚者 ]
番号 0
称号 愚者
生命の樹の小径 1 - 2(ケテル - コクマー)
対応ヘブル文字 アレフ(数価 1 : 配属 風 : 意味 雄牛(鋤))
777 キー スケール 11
カードの意味 精神的な事柄において、概念、思考、精神性、地上を超越(精神的な上昇、昇華)しようとする試みを意味する。物質的な事柄で、なおかつ品位(格式)が悪い時には、愚行、奇行、熱狂(狂気、躁病)( = mania)を意味する。カードの本質的な要素は、根源的、些細な(捉えがたい、言いがたい)、突然の衝動や衝撃を表わしている。
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