魔術道具の準備 - 衣服や祭壇など

使用する魔術道具の準備を行います。

衣服とその他の装身具

2着の普段着を用意します(1着は替えです)。派手ではない方が良いでしょう。

第二の衣服として亜麻布で出来たシャツ、またはチュニック(Tunic)を用意します。これは白く、大きく(ゆったりとした)、適切な袖があるものにして下さい。

それとは別にクリムゾン、またはスカーレットの絹で、金の線(縞)が入った「法衣」を用意します。裾は丁度膝よりも長くなく、同様の要素(長すぎない事?)の袖を持つものを選びます。

これらの衣服については如何なる特定の規定も、従うべきどのような特別な指示もありませんが、しかしより綺麗で(見た目の事ではありません)清潔な方が良いとされます。

更に、チュニックと同一の色の絹の飾り帯(ガードル)(自分の腰に巻く紐)、美しい王冠、または金と絹のフィレット(Fillet)(リボン、髪紐)織物を用意します。

亜麻布の衣服については「最後の2箇月」の祈りの際と、(「祈りの6箇月」の後に行う)儀式の時に使用します。法衣、ガードル、王冠などは儀式の時にのみ身に着けます。共に使用する時が来るまで「祭壇」(後述)の中に仕舞っておきます。

魔術用の「祭服(ローブ)」を持っている人は、法衣はそれで済ませても構わないかと(態々、別の物を用意しなくて良いかと)思います。

祭壇

「祭壇」を製作します。「祭壇」は木製であり、儀式に使用する道具を内部に仕舞っておけるもの、即ち、引き出しや扉などが付いているものにします。これは出来る限り自分で製作した方が良いかと思います。造りは簡単であっても構わないでしょう。既に条件に合ったものがあるのであればそれを使っても構いません。

「祭壇」の中には祈りの作業や儀式に用いる「衣服」「聖油」「香」「棒(杖)」、その他の道具を予め入れておくようにします。

「祈りの部屋」に配置する際には部屋の中央に置き、道具の出し入れ口が西側になるようにします(即ち、「祭壇」の正面を東に向けて設置します)。

聖油と香

神聖な油と香を用意します。

「聖油」は、「没薬(Myrrh : ミルラ)」を1割、「肉桂皮(fine Cinnamon : シナモン)」を2割、「良姜(Galangal : ガランガル、ガランガ)(コウリョウキョウの根茎())」を0.5割りの比率で用意し(それぞれは純粋な油の状態である事)、更にこれらの全重量の半分の最良の「オリーブオイル」を用意し、これらを混ぜ合わせて完成です。出来たものはガラスビンに入れて保管しておきます。

( 日本語訳本では単にコウリョウキョウとなっています。)

  • 「没薬(Myrrh)」 … 1割
  • 「肉桂皮(fine Cinnamon)」 … 2割
  • 「良姜(Galangal」 … 0.5割
  • 「オリーブオイル」 … 全重量の半分の量

「香」は、「乳香(Olibanum : オリバナム)」を1割、「蘇合香(Storax)」を0.5割り、「沈香(Lign Aloes)()」を0.25割りの比率で用意し、そしてこれらを細かい粉にして十分に混ぜ合わせて完成です。

( 日本語訳本では「アロエ」となっています。)

  • 「乳香(Olibanum)」 … 1割
  • 「蘇合香(Storax)」 … 0.5割
  • 「沈香(Lign Aloes)」 … 0.25割

これらは箱や都合の良い容器の中に保管しておきます。6箇月の間にこれらを費やした場合は、その週の最後の「安息日」の前夜に再び十分な量を作るようにします。この「聖油」、及び「香」は使用する時意外は「祭壇」の内部に仕舞っておきます。

「アーモンドの木(Almond-tree)」で出来た「棒」を用意します。「棒」はデコボコがなくまっすぐであり、長さが [ 0.5ell(57.15cm) ] から [ 6ft(182.88cm) ] 以内のものにします。「棒」についても出来る限り自分で製作するようにします。

その他の道具

「銅、若しくは銀の香炉」を用意します。「祭壇」の上に配置して使用します。(「祭壇」の中に仕舞わずにそのまま配置しておきます。)

「香」を焚くのに使用する炭(charcoal)を用意します。十分な量を確保しておいた方が良いでしょう。

「香炉」の灰を取る銅の箱、または灰を取るのに適した(銅の)何らかの容器を用意します。これは「香炉」の灰を取り、「祈りの部屋」の外へ持ち出すのに使用します。「香炉」は常に「祈りの部屋」の中になければならないので、そのため灰を取り、外へと出す時にこれを用いる事になります。

「ランプ」を用意します。オリーブオイルを入れて使用します。「祈りの部屋」に掛けておきます。

「銀の板」を用意します。召喚した天使が言葉を書き記すためのものです。

「未使用の紙」を用意します。ある程度の枚数があった方が良いでしょう。「聖なる守護天使」を召喚した後に天使の言葉を「銀の板」から写し取るために使用します。


これらは全て作業開始予定日までに準備しておくようにします。「祭壇」は「祈りの部屋」に置き、配置が必要な道具は配置し、「祭壇」の内へ仕舞う道具は仕舞い、清潔に保っておくようにします。

― NOTE ―

最終的には悪魔を召喚(喚起)するのですが、「アブラメリンの魔術」では「魔法円」は使用しないためこれを用意する必要はありません。6箇月間に渡る自己の聖別により祈りの部屋自体が強力に聖別され、「魔法円」と同じ働きをするようになるためです。即ち、悪魔が「祈りの部屋」に一切入って来れないと言う事です。このため術者は部屋からでなければ安全であり、本来は術者を守る為にある「魔法円」もここでは必要なくなります。

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