タロットの基礎知識
『タロット』についての簡単な説明です。
タロットの起源
『タロット』の起源については諸説あり、その本当のところは未だに分かっていません。エジプト起源説、ペルシア起源説、インド起源説などがありますが、どれも決め手のないものばかりのようです。
現在確認されている最も古い『タロット』は14世紀のものとなっています。
タロットの種類
『タロット』には多くの種類があります。
『ウェイト版タロット』『トートタロット』『ゴールデンドーンタロット』などと言った良く耳にするもから、『マルセイユ版タロット』『エッティラ版タロット』などの「クラッシク系」、その他にもそれぞれのテーマに沿って作られたものなど…様々なものが存在しています。
(一般的な)占い方
『タロット』での占い方ですが、以下のような方法が一般的かと思います。
- 使用する『タロット』のデック(一式)を用意する。
- シャッフル、カットしてからテーブルの上に並べる。
- カードの示すところをリーディング(読解)し、結果を得る。
ここで行なう(これから紹介する)方法もこれと同じ形式になります。
タロットで占える期間
『タロット』は遠い先の事を占うのには向いていません。占う期間は長くても1箇月から3箇月先まで、または半年以下であると言われています。
しかし、中には(ここでは紹介していませんが)年間を占うような「スプレッド」もあり、一概にそうとは言えないところもあります。
デック(Deck : 一式)の枚数
『タロット』の枚数についてはこれと言った決まりはなく、そのため色々な枚数のものが出回っています。
中でも、現在、最も多く見られるのは78枚のデックではないでしょうか。
今回、ここで使用する『ウェイト版タロット』も78枚ですし、『トートタロット』も基本的には78枚です(※)。
(※ 但し、ここで紹介する『トートタロット』は通常より「奇術師」が2枚多く入っている「版」であり(即ち、「奇術師」が3枚ある「版」であり)、そのため合計枚数は80(78+2)枚となっています。)
タロットの基本的な内訳
『ウェイト版タロット』を例にとって書くと以下のようになります。
- Major Arcana(大アルカナ) ― 22枚
- Lesser Arcana(小アルカナ) ― 56枚
大アルカナ
22枚の「大アルカナ」は [ I ~ XXI ] までの21枚と、無番号(または [ 0 ] )の1枚とからなり、それぞれに象徴的な絵(寓意画)が描かれています。
22枚の「大アルカナ」は「生命の樹」の「22の小径」に配置されます。
それぞれが22のヘブライ(ヘブル)文字…3母字( [風] [水] [火)] )、7復字( [ 水星] [月] [金星] [木星] [火星] [太陽] [土星 ] )、12単字( [ 白羊宮] [金牛宮] [双子宮] [巨蟹宮] [獅子宮] [処女宮] [天秤宮] [天蠍宮] [人馬宮] [磨羯宮] [宝瓶宮] [双魚宮 ] )の一つと対応しています。
22枚の「大アルカナ」は「生命の樹」ではこの配属に従い「22の小径」に配属されす。
小アルカナ
56枚の「小アルカナ」は更に以下のような4つの組札(Suit : スート)に分かれます。
- Wands(ワンド : 棒) ― 14枚
- Cups(カップ : 杯) ― 14枚
- Swords(ソード : 剣) ― 14枚
- Pentacles(ペンタクル : 万能章) ― 14枚
「小アルカナ」は『ウェイト版タロット』では「棒(ワンド)」「杯(カップ)」「剣(ソード)」「万能章(ペンタクル)」の4種となっています。この「スート」の種類は使用する『タロット』によって異なる場合があります(※)。
(※ 例えば『トートタロット』では「棒(杖)(ワンド)」「杯(カップ)」「剣(ソード)」「円盤(ディスク)」となっています。)
「スモールカード」の4種の「スート」は四大元素に対応しています。「棒」が「火」、「杯」が「水」、「剣」が「風」、「ペンタクル」が「地」です。
[ IHVH ] では「棒」が [ I ] 、「水」 が [ H ] 、「剣」が [ V ] 、「ペンタクル」が [ (最後の)H ] に対応します。
- 棒(杖) ― 火、[ I ]
- 杯 ― 水、[ H ]
- 剣 ― 風、[ V ]
- ペンタクル(ディスク) ― 地、 [ 最後のH ]
「スート」は「スモールカード」と「コートカード」とから構成されています。
- Court Card(コートカード) ― 4枚の絵札(人物札)
- Small Card(スモールカード) ― [ ACE, 2 ~ 10 ] の数札
コートカード
「コートカード」は4枚の絵札(人物札)からなります。『ウェイト版タロット』では各4枚の「王(キング)」「女王(クイーン)」「騎士(ナイト)」「小姓(ペイジ)」となっています。これも使用する『タロット』によって異なる場合があります(※※)。
(※※ 例えば『トートタロット』では「騎士(ナイト)」「女王(クイーン)」「王子(プリンス)」「王女(プリンセス)」となっています。)
「コートカード」の「王」「女王」「騎士」「小姓」は四大元素に対応しています。即ち、「王」が「火」、「女王」が「水」、「騎士」が「風」、「小姓」が「地」です。
- 4枚の王(騎士) ― 火
- 4枚の女王 ― 水
- 4枚の騎士(王子) ― 風
- 4米の小姓(王女) ― 地
「棒」の「スート」が「火」である事から、「棒の王」は「火」の「火」、「棒の女王」は「火」の「水」、「棒の騎士」は「火」の「風」、「棒の小姓」は「火」の「地」、「杯」の「スート」が「水」である事から「杯の王」は「水」の「火」、「杯の女王」は「水」の「水」…と言ったようになります。
スート/人物 | 王(騎士) - 火 | 女王 - 水 | 騎士(王子) - 風 | 小姓(王女) - 地 |
---|---|---|---|---|
棒のスート(火) | 火の火 | 火の水 | 火の風 | 火の地 |
杯のスート(水) | 水の火 | 水の水 | 水の風 | 水の地 |
剣のスート(風) | 風の火 | 風の水 | 風の風 | 風の地 |
万能章(円盤)のスート(地) | 地の火 | 地の水 | 地の風 | 地の地 |
[ IHVH ] との照応では、「王」が [ I ]、「女王」が [ H ] 、「騎士」が[ V ] 、「王女」が [ (最後の)H ] になります。
- 4枚の王(騎士) ― [ I ]
- 4枚の女王 ― [ H ]
- 4枚の騎士(王子) ― [ V ]
- 4枚の小姓(王女) ― [ (最後の)H ]
「生命の樹」の上では「王」が「コクマー」、「女王」が「ビナー」、「騎士」が「ティファレト」、「小姓」が「マルクト」に配属されます。
- 4枚の王(騎士) ― コクマー
- 4枚の女王 ― ビナー
- 4枚の騎士(王子) ― ティファレト
- 4枚の小姓(王女) ― マルクト
(四大、[ HIVI ] 、「コクマー」「ビナー」「ティファレト」「マルクト」…これらへの照応に関しては同じ事を繰り返して書いているだけです…。)
スモールカード
「スモールカード」は [ ACE, 2 ~ 10 ] までの数札となっています。これは『ウェイト版タロット』では絵札(寓意画)となっています。
「生命の樹」の上では「4枚のACE」が「ケテル」、「4枚の2」が「コクマー」、「4枚の3」が「ビナー」、「4枚の4」が「ケセド」、「4枚の5」が「ゲブラー」、「4枚の6」が「ティファレト」、「4枚の7」が「ネツァク」、「4枚の8」が「ホド」、「4枚の9」が「イェソド」、「4枚の10」が「マルクト」に配属されます。
- 4枚のACE ― ケテル
- 4枚の2 ― コクマー
- 4枚の3 ― ビナー
- 4枚の4 ― ケセド
- 4枚の5 ― ゲブラー
- 4枚の6 ― ティファレト
- 4枚の7 ― ネツァク
- 4枚の8 ― ホド
- 4枚の9 ― イェソド
- 4枚の10 ― マルクト
正位置と逆位置
カードには「正位置」・「逆位置」と言う解釈が変わります。(「正位置」・「逆位置」を採用していないデックもあります。また、採用していない人もいます。)
展開したカードの上下がそのままの場合が「正位置」、上下が逆さの場合が「逆位置」になります。「正位置」では本来の解釈、「逆位置」では「正位置」とは異なる解釈を行います。(「逆位置」に関しては幾つかの解釈方法があります。)
詳しくは『ウェイト版タロット』を紹介する中で扱っています。
カードの品位(品格)
デックによっては「正位置」・「逆位置」の考えを採らずに「品位(品格)」を採用しているものもあります。『トートタロット』や『ゴールデンドーンタロット』がそれに当たります。
「品位」には「好品位」と「悪品位」とがあり、どちらになるかは隣接するカードによって決まります。それによって読み取る内容も変化します。
詳しくは『トートタロット』を紹介する中で扱っています。