心理学の書籍

・オカルトの心理学(絶版)

C・G・ユング 著 : 島津彬郎・松田誠思 編訳

ユングのオカルトに関する論文から幾つかを選び出し纏めたものであり、心理学的観点からの霊や魂、魔術、錬金術などについて書かれています。

ユング心理学に馴染んでいれば普通に(難しいと感じる事なく)読む事が出来ます。

現在は絶版となっていますが、オークションに出品されている事があります。

・人間と象徴 上(amazon.co.jp)/下(amazon.co.jp)

C・G・ユング他 著 : 河合 隼雄 監訳

ユングと彼の最も近い弟子達によって一般向けとして書かれた本です。

ユングはこの本を製作するに当たり、全体の構成、自身の章の執筆、更に弟子達の書いた論文への指導と修正を行なっています。

ユングは自分の章を書き終えた後、この『人間と象徴』が完成する前に死んでしまったのですが、弟子達の書いた各章は草稿段階で彼による承認を受けたものとなっています。複数の著者によって書かれ、ユングの死後に完成し刊行された本なのですが、ユングがきちんと関わった事により、「ユング思想」が全体に行き渡っていると言える仕上がりになっています。

一般向けに書かれただけに内容もわかり易く、非常に読み易くなっています。ユング心理学の最良の入門書だと言えます。

・ユング心理学辞典(amazon.co.jp)

アンドリュー・サミュエルズ バーニー・ショーター フレッド・プラウト 著 : 山中康裕 監修 : 濱野清志・垂谷茂弘 訳

ユング心理学の用語を解説した辞典です。

ユングの言葉やフロイトとの対比なども交えながら用語を解説して行くのはこの種の本にありがちな事ですが、この本はそれだけに留まらず、現代的な視点からの批評が加えられていると言った特徴を持っています。

ユング心理学を学ぼうと考えているのであれば手元にあって損はないでしょう。

・ユング心理学の世界(amazon.co.jp)

樋口和彦 著

ユング本人や、ユング心理学の基本要素、夢分析、ユング心理学から見た童話、錬金術、東洋思想、神話、宗教…などが初心者向けに分かり易く簡単な言葉で紹介されています。

ユング心理学の良い入門書です。

・ヨブへの答え(amazon.co.jp)

C・G・ユング 著 : 林道義 訳

ユングが『ヨブ記』や『聖書』の中の出来事から、神(神イメージ)、神と人間の関係、神の変遷過程などについて考察を巡らせた書です。

この書は発刊後に多くのキリスト教徒から非難を受けたようです。『ヨブ記』自体も聖書の中では問題として挙げられる事の多い書ですが、そこにユングの持つあの独特の感覚がそのまま入り込んだのですから…当然、そうなるとは思いますが…。ユング自身もこの書の刊行には躊躇していたようです。対象に対するユングの素直であり冷静な視線(対象に対する学者としての態度)には好感を持てます(内容に関しては色々思うところはありますが、それとは別にして)。

同書の中では新約聖書の『ヨハネの黙示録』とその著者であるヨハネに対しての心理的考察も行なわれています。『ヨハネの黙示録』については、その著者を『ヨハネの手紙』の著者であるヨハネと同一であるとする説と別人であるとする説がありますが、ユングは前者であると推測した上で話を進めています。

ユング心理学を一通り学んだ後に読むと非常に「面白く」読む事が出来るでしょう。(当然、聖書の内容に対して知識がある事を前提に書かれていますので、キリスト教、聖書についても学んでおく必要があります。)

個人的にはユングの著作の中では一番「面白かった」と思います。

『ヨブへの答え』にはもう1つ野村美紀子訳(amazon.co.jp)もあるのですが、お薦めはこちら林道義訳の方です。

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