坐法(座法)

「坐法(座法)」とは肉体を一定の姿勢で保つ事(及び、肉体的な制御)、またはその姿勢の事であり、「瞑想」などを行なう際に取り入れられます。ここでは良く魔術の本に出て来る2つの「坐法」を紹介したいと思います。1つは「蓮華坐」と呼ばれるもので、もう1つは「神の姿勢」と呼ばれるものです。訓練者は一定の「坐法(姿勢)」を長い時間(必要な時間)、不快や苦痛なしに(即ち、肉体からの一切の干渉を受けずに)安定して継続出来る事を目指します。肉体から起こる不快や苦痛などは、精神を制御する際の妨げとなるものであり、「瞑想」などを行なうためにはこのような肉体的な制御は必ず必要となってきますので、是非、身に付けておきましょう。最初は30分~1時間ぐらいを目指して行なうのが良いかと思います。

蓮華坐

「蓮華坐」は坐禅の時などに見られるお馴染みの姿勢です。両足を結ぶようにして坐り、背筋を伸ばし、両手は軽く開くなどの状態で掌を上にし、両膝の上や両足の交わっている地点の上に軽く置くようにします。この「蓮華坐」は西洋の魔術書に於いて「大抵の西洋人には無理な姿勢」として紹介されている事があります。更に「体が並外れて柔らかくなければ…」や「場合によっては筋を傷つける、足の骨を折る」とまで書かれている事もあります(…)。(個人的には何の問題もなく普通に出来るため、西洋人の方こそ椅子の坐り過ぎで足の可動域が狭くなっているのではと思って仕舞うところです…。)

神の姿勢

「神の姿勢」は椅子に坐したエジプトのファラオに見られる姿勢です。椅子の背凭れには触れずに、背筋を垂直に伸ばして坐り、両足は床に真っ直ぐに置き、両膝は合わせて、両手はその膝の上に置くようにします。「蓮華坐」に比べて簡単ですし、骨折の心配がないのが嬉しいところです。椅子は堅い椅子の方が良いようです。


他にも様々な「坐法」がありますが、取り敢えずはこの2つを試し、どちらか自分に向いていると思う方を身に付けるようにしましょう。これらの「坐法」はそれを行なう者の肉体に適度な緊張を与える姿勢となっており、その適度な緊張は肉体に弛緩と緊張との中庸を作り出す際に非常に重要な働きをします。(弛緩と緊張との中庸については「魔術の基礎訓練 : 弛緩(リラックス)」を参照して下さい。)ですので、他の「坐法」を選択する場合に於いても適度な緊張状態を保てるような姿勢を採用するようにして下さい。(当然ですが、初めから楽だと感じる姿勢では修得する意味がありません。)そして、1つの「坐法」に決めて修得を目指し始めたら、途中でそれを別の「坐法」へと変える事はしないようにして下さい(次に移るのであれば、投げ出さずに、それを身に付けてから移るようにします)。

カウンター
^