物見の塔の儀礼

「物見の塔の(開式の)儀礼(the Watchtower Ceremony)」は神殿を開くための儀礼です。

文中には書かれていませんが、場の中央に「祭壇」があり、場の四方には(それぞれの方位に対応する)「エノキアンタブレット」が掛けられ、「祭壇」の上には「統一タブレット」がある事を前提としています。(「エノキアンタブレット」については「魔術の基礎知識 : エノキアンタブレット」を参照して下さい。)

以下、その方法です。(こちらで訳付けしたものを纏めたものです。英語が得意ではない事から誤訳があるかも知れません。)

「物見の塔の儀礼」の方法

「祭壇」(円の中央)の前(西側)に立ち、東に面し、そして以下のように宣言する。

"HEKAS, HEKAS, ESTE BEBELOI ! (hay-kahs, hay-kahs, ess-tee bee-ba-loy ! )"

「五芒星の小追儺儀礼」を行なう。

「六芒星の小追儺儀礼」を行なう。

南へ行く。「(火の)棒」を持ち、南に向かい(「タブレット」の前方に)それを三度振る。「(火の)棒」を頭上に保持し、(右回りに)ゆっくりと周行を行なう。以下のように唱えながら。

"そして、全ての幻影が消え去った後、汝は聖なる形なき火を見るだろう。宇宙の隠された深みを貫いて、飛び、閃くその火を。汝よ、火の声を聞け。"

南へと戻って来たら、「(火の)棒」を南に向かい(「タブレット」の前方に)三度振る。「(火の)棒」を持って、南に向かい(「タブレット」の前方に)大きな円を、それからその中に「火の召喚の五芒星」を、更にその中央に「火のケルブ(獅子宮のサイン)」を描く。以下のように唱えながら。

"OIP TEAA PEDOCE(oh-ee-pay tay-ah-ah pay-doh-kay)、大いなる南方の四辺形の名と文字に於いて、我は汝らを召喚する。汝ら、南の物見の塔の天使達よ。"

「(火の)棒」を置く。西へと(右回りに)周行して歩く。「(水の)杯」を持ち、西へ向かい(「タブレット」の前方に)水滴を三度振り撒く。「(水の)杯」を頭上に保持し、(右回りに)ゆっくりと周行を行なう。以下のように唱えながら。

"故に、火の業を修める祭司は、大きく音を鳴り響かせる海の清めの水を振り撒かねばならない。"

西へと戻って来たら、水滴を西に向かい(「タブレット」の前方に)三度振り撒く。「(水の)杯」を持って、西に向かい(「タブレット」の前方に)大きな円を、それからその中に「水の召喚の五芒星」を、更にその中央に「水のケルブ((横向きの)鷲の頭)」を描く。以下のように唱えながら。

"EMPEH ARSEL GAIOL(em-pay-hay ar-sel gah-ee-ohl)、大いなる西方の四辺形の名と文字に於いて、我は汝らを召喚する。汝ら、西の物見の塔の天使達よ。"

(水の)杯を置く。東へと(右回りに)周行して歩く。(風の)短剣を持ち、東へと向かい(タブレットの前方に)それを三度振る。(風の)短剣を頭上に保持し、(右回りに)ゆっくりと周行を行なう。以下のように唱えながら。

"このようにある火は、風の猛進を通して広がる。それは、声の似姿の根源である火の無秩序でさえも。それは、溢れ、巡り、次々に現れ、大きく叫ぶ、閃く光でさえも。"

東へと戻って来たら、「(風の)短剣」を東に向かい(「タブレット」の前方に)三度振る。「(風の)短剣」を持って、東に向かい(「タブレット」の前方に)大きな円を、それからその中に「風の召喚の五芒星」を、更にその中央に「風のケルブ(宝瓶宮のサイン)」を描く。以下のように唱えながら。

"ORO IBAH AOZPI(eh-roh ee-bah-hay ah-oh-zohd-pee)、大いなる東方の四辺形の名と文字に於いて、我は汝らを召喚する。汝ら、東の物見の塔の天使達よ。"

「(風の)短剣」を置く。北へと(右回りに)周行して歩く。「(地の)万能章」を持ち、北へ向かい(「タブレット」の前方に)それを三度振る。「(地の)万能章」を頭上に保持し、(右回りに)ゆっくりと周行を行なう。以下のように唱えながら。

"暗く輝く世界へと身を落としてはならない。そこには、不可解な似姿を大いに好む、険しく、曲がりくねった、信仰のない深淵と闇に包まれた冥界が常に横たわる。黒く逆巻く深淵は、無形で虚空の光を放たない体を常に信奉する。"

北へと戻って来たら、「(地の)万能章」を北に向かい(「タブレット」の前方に)三度振る。「(地の)万能章」を持って、北に向かい(「タブレット」の前方に)大きな円を、それからその中に「地の召喚の五芒星」を、更にその中央に「地のケルブ(金牛宮のサイン)」を描く。以下のように唱えながら。

"EMOR DIAL HECTEGA(ee-mor dee-ahl hec-tay-gah)、大いなる北方の四辺形の名と文字に於いて、我は汝らを召喚する。汝ら、北の物見の塔の天使達よ。"

「(地の)万能章」を置く。西へと「祭壇」の周りを(右回りに)周行して歩き、それから東に面する。「薔薇」を持ち(或は手刀で)、「祭壇」の上方に大きな円を、それから(その中に)「(能動と受動の)霊の召喚の五芒星」を描く。以下のように唱えながら。

"EXARP(ex-ar-pay)、BETOM(bay-ee-toh-em)、NANTA(en-ah-en-tah)、HCOMA(hay-coh-mah)。神秘なる「統一タブレット」の名と文字に於いて、我は汝らを召喚する。汝ら、生命の霊の神聖なる諸力よ。"

「薔薇」を置く。ベールを開く(剥ぐ)「予備門の合図(※1)」を行い、以下のように唱える。

"我は汝を召喚する、汝、不可視の座に住まう天球の天使達よ。汝らは宇宙の門の守護者、汝らはこの神秘の領域の守護者である。邪悪と不均衡とを遠ざけよ。我を強め、神の息を吹き込め、この永遠なる神々の神秘の住まいを汚れのないままに保持出来るように。我が領域を純粋で神聖なものにせよ、神聖なる光の秘密に参入し、その与るところとなれるように。"

北東に向かい、次のように唱える。

"目に見える太陽は地へと光を分け与える者である。我がためにこの部屋に渦を形成し給え、霊の不可視の太陽が上方から来てその中で輝けるように。"

東から始まる周行を三度(右回りに)行なう。その際、東を通過する度に「入場者の合図(投射の合図)(※2)」を行なう。「祭壇」の西へと戻って来たら、東に面し、そして以下の祈りを唱える。

"聖なるは汝、宇宙の主よ(「入場者の合図」)。聖なるは汝、自然の造らざる者よ(「入場者の合図」)。聖なるは汝、広大にして強大なる者よ(「入場者の合図」)。光と闇の主よ(「沈黙の合図(※3)」)。"

静かに佇み、自身の周りの力を感じ取る。それから目的とする作業を果たす。

その後、(東から始まる)逆周行(左回り)によって神殿を閉じる。その際、東を通る度に「入場者のサイン」を行なう。

「五芒星の小追儺儀礼」を行なう。

「六芒星の小追儺儀礼」を行なう。

「祭壇」(の西)に立ち、東に面して、そして以下のように言う。

"我はここに、この儀式によって拘束されている全ての霊を開放する。汝らの場所、住処へと静かに退去せよ。そして、YEHESHUAH YEHOVASHAH(yuh-hesh-you-ah yuh-hoh-vah-shah) の祝福のあらん事を。"

少し間を置いて、それから以下のように言う。

"我はここに、この神殿が滞りなく閉じられた事を宣言する。"

― NOTE ―

※1 両腕を前方に延ばし、それをカーテンを開くように鋭く離して行く。

※2 (左足を少し踏み出しながら、)上方から真っ直ぐ前に腕を延ばし、その間に頭を垂れる。

※3 右腕を脇に垂らし、左手の人差し指を下唇中央に付ける。

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