「蛇を纏いし心臓の召喚」、または「生まれ無き者の儀礼」

「生まれ無き者の儀礼、または生まれ無き者の儀礼(The Invocation of the Heart Girt with a Serpent, or, The Bornless Ritual)」は神殿を開くための儀礼です。

文中にはありませんが、通常、「五芒星の小儀礼」(と、必要であれば「六芒星の小儀礼)」と)の後に行なわれます。

以下、その方法です。(こちらで訳付けしたものを纏めたものです。英語が得意ではない事から誤訳があるかも知れません。)

「蛇を纏いし心臓の召喚」、または「生まれ無き者の儀礼」の方法

(場の中央にて東に向かう。)

"汝を我は召喚する、生まれ無き者よ。汝、地と天を創りし者よ。汝、夜と昼を創りし者よ。汝、闇と光を創りし者よ。汝は Osorronophris(Asar Un-Nefer)、如何なる時も目にする者はない。汝は Iabas(Ia-Besz)。汝は Iapos(Ia-Apophrasz)。汝は善と悪を分けた。汝は女性と男性を定めた。汝は種と果実を産み出した。汝は互いに愛し、互いに憎む人間を形成した。"

"我は汝の預言者 XXX(魔法名)。汝が、汝の密儀、XXX(魔術的民族) の儀式を託した者である。汝は湿と乾、そして全ての創られし生命を育むものを産み出した。汝よ、我が声を聞け。我は Apophrasz Osorronophris(Ptah-Apophrasz-Ra) の天使であるが故。これが汝の真の名、XXX(魔術的民族) の預言者達に伝えられし者である。"

東に向かう。(※1)

"我が声に耳を傾けよ。Ar - Thiao - Reibet - Atheleberseth -A - Blatha - Abeu - Eben - Phi -Chitasoe - Ib - Thiao 。我が声に耳を傾けよ、そしてあらゆる霊を我に従わさせよ。天空とエーテルの霊を、地の上と地の下の霊を、乾いた地と水の中の霊を、渦巻く風と猛進する火の霊を、そして神の全ての呪文と天罰を我が思いのままに。"

南に向かう。(※2)

"我は汝を召喚する、恐るべき、見えざる神、霊の虚空に住みし者よ。Arogogorobrao - Sochou -Modorio - Phalarchao - Ooo - Ape 、生まれ無き者。我が声に耳を傾けよ、そしてあらゆる霊を我に従わさせよ。天空とエーテルの霊を、地の上と地の下の霊を、乾いた地と水の中の霊を、渦巻く風と猛進する火の霊を、そして神の全ての呪文と天罰を我が思いのままに。"

西に向かう。(※3)

"我が声に耳を傾けよ。Roubriao - Mariodam - Balbnabaoth - Assalonai - Aphniao -I - Tholeth - Abrasax - Aeoou - Ischure 、偉大なる生まれ無き者よ !我が声に耳を傾けよ、そしてあらゆる霊を我に従わさせよ。天空とエーテルの霊を、地の上と地の下の霊を、乾いた地と水の中の霊を、渦巻く風と猛進する火の霊を、そして神の全ての呪文と天罰を我が思いのままに。"

北に向かう。(※4)

"我は汝を召喚する。Ma - Barraio - Ioel - Kotha -Athorebalo - Abraoth 。我が声に耳を傾けよ、そしてあらゆる霊を我に従わさせよ。天空とエーテルの霊を、地の上と地の下の霊を、乾いた地と水の中の霊を、渦巻く風と猛進する火の霊を、そして神の全ての呪文と天罰を我が思いのままに。"

東に向かう。(※5)

"我が声に耳を傾けよ ! Aoth - Abaoth - Basum - Isak -Sabaoth - Iao 。"

"これは、神々の主である。これは、宇宙の主である。これは、風の恐れし彼である。これは彼である、その神命により声を創りし者、万物の主、王、支配者にして助力者である。我が声に耳を傾けよ、そしてあらゆる霊を我に従わさせよ。天空とエーテルの霊を、地の上と地の下の霊を、乾いた地と水の中の霊を、渦巻く風と猛進する火の霊を、そして神の全ての呪文と天罰を我が思いのままに。"

"我が声に耳を傾けよ。Ieou - Pur - Iou - Pur - Iaot - Iaeo - Ioou - Abrasax - Sabriam -Oo - Uu -《 Eu - Oo - Uu 》- Adonai - Ede - Edu - Angelos tou theou -Analala Lai - Gaia - Apa - Diachanna - Chorun 。"

"我は彼 ! 生まれ無き神である ! 足元に視界を持ち、強く、そして不滅の火を持つ ! 我は彼 ! 真理 ! 我は彼 ! 悪が世界に蔓延りし事を憎む者 !我は彼、稲妻を走らせし者、雷鳴を轟かせし者。我は彼、地上に生命の雨を齎す者。我は彼、その口は永遠に炎を吐く。我は彼、子を造る者、そして光へと顕現する者。我は彼、世界の恩寵。"蛇を纏いし心臓"こそ我が名である ! 汝、前に現れ、我に従え。そしてあらゆる霊を我に従わさせよ。天空とエーテルの霊を、地の上と地の下の霊を、乾いた地と水の中の霊を、渦巻く風と猛進する火の霊を、そして神の全ての呪文と天罰を我が思いのままに !"

"Iao - Sabao 。これこそ、言葉である !"

NOTE ― 1

以下、各箇所での追加作業です。

※1 (東方の「気(風)」を召喚。黄金に輝く栄光を帯びた矢軸をイメージ。)「風の召喚の五芒星型」(下図左)を描き、神名 [ IHVH(イェ ホ ワゥ) ] (下図中央)を唱える。「風」の元素の王 [ Tahaoeloj ] (下図右)の印形を描く。[ the god Shu supporting the sky(天空を支える神 シュー) ] の記号を行う(肘を鋭角に曲げたまま両腕を頭上に挙げ、掌を重りを支える時のように上方に向ける)。

風の召喚の五芒星型 IHVH tahaoeloj
[ 東方 ]

※2 (南方の「火」を召喚。恥部より噴出す真紅の炎の光線をイメージ。)「火の召喚の五芒星型」(下図左)を描き、神名 [ ALHIM(エロヒム) ] (下図中央)を唱える。「火」の元素の王 [ Ohooohaatan ] (下図右)の印形を描く。[ the goddess Thoum-aesh-neith(女神 トウムエシュ=ヌィト) ] の記号を行う(両腕を頭上に挙げて、両手の指先(親指と人差し指)を合わせて三角形を作る(頭上に作ると言ってもそれは頭部に近い頭上であり、肘は曲げた感じになる))。

火の召喚の五芒星型 ALHIM ohooohaatan
[ 南方 ]

※3 (西方の「水」を召喚。杖より放たれる青い光輝をイメージ。)「水の召喚の五芒星型」(下図左)を描き、神名 [ AL(エル) ] (下図中央)を唱える。「水」の元素の王 Thahebyobeeatan(下図右) の印形を描く。[ the goddess Auramoth(女神 オーラモス) ] の記号を行う(肘を肩と平行になる高さまで両腕を挙げ、胸の前で両手の指先(親指と人差し指)を合わせて(親指が上、残りの4本指を下し)逆三角を作る)。

水の召喚の五芒星型 AL thahebyobeeatan
[ 西方 ]

※4 (北方の「地」を召喚。(武器より発せられる)緑の光炎を帯びた花をイメージ。)「地の召喚の五芒星型」(下図左)を描き、神名 [ ADNI(アドナイ)(下図中央) ] を唱える。「地」の元素の王 Thahaaotaha(下図右) の印形を描く。[ the god Set fighting(闘う神 セト) ] の記号を行う(右足を前に踏み出し、右手を前方に高く伸ばし、左手を下げたまま後方に伸ばす。両掌は開いておく)。

地の召喚の五芒星型 ADNI thahaaotaha
[ 北方 ]

※5 (「霊」を召喚。)「活動の均衡の召喚五芒星型」(下図左)を描き、神名 [ AHIH(エヘイエー) ] (下図中央)を唱える。[ the Mark of the Beast(野獣の符合) ] (下図右)の印形を描く。[ The LVX Sings(LVXの合図) ] を行う(即ち +.L.V.X. と連続で順に行う)()(※※)(※※※)(※※※※)。

( [ +. Osiris Slain ― the Cross(殺されしオシリス ― 十字架)] …両腕を真横に伸ばす(体全体で十字架を作るようにする)。)

(※※ [ L. Isis Mourning ― the Svastica(嘆きのイシス ― 卍) ] …肘を直角に曲げたまま、右手を挙げて上方を指し、左手も同じように肘を直角に曲げて下方を指す。顔は左肩越しに下方に向け、目で左前腕部の動きを追う(両腕と頭で 卍 の形を作るようにする)。)

(※※※ [ V. Typhon ― the Trident(テュフォン ― 三叉の矛) ] …両腕を横斜め上方に挙げ(腕で [ V ] を作るようにする)、顔を上方に向ける。)

(※※※※ [ X. Osiris Risen ― the Pentagram(復活したオシリス ― 五芒星) ] …胸の上で両腕を交差させて(胸の上で両腕が X になるようにする)、頭を下げる。)

活動の均衡の召喚五芒星型 AHIH 野獣の符合
[ 東方 ]

(追記 ― 本文の「※5」のところには「東に向かう」とありますが、「五芒星」と「野獣の符合」とはそのまま「正面(場の中央)」に描くのではなく(東に面したままで)「(場の中央)上方」へと描く形も考えられます。その場合、東に向かい、「五芒星」を「(場の中央)上方」に描いて神名を唱え、同じく「野獣の符合」を描き、最後に「L.V.X.の合図」を行う事になるかと思います。)

NOTE ― 2

この「儀礼」は本文中のような表記(「東に向かう」や「南に向かう」など)からして常に場の中心で向きを変えて行なわれるものと言った感じを受けるかも知れません。勿論、(作業を行う場所が狭い場合もありますし、)そうであっても構わないとは思いますが、出来るならば、作業場全体、または(「魔法円」を使用しているのであれば)「魔法円」全体、(「祭壇」を用いているのであれば)「祭壇」の周辺を周行(弧を描き円を形成しつつ移動)しながら「儀礼」を行うようにします。

最初にある「場の中央にて東に向かう」は、「祭壇」を用いるのであれば「祭壇の西側に立って東に向かう」と言う事になります。

周行する場合、「XXXに向かう」の箇所は「XXXへと周行してXXXに面する」となります。また、最後の「東に向かう」の箇所は「場の中央に戻り、東に向かう」となります。「祭壇」を設置している場合は「祭壇」の西側に戻って東に向かうようにします。この場合、「※5」での星型、印形を描く作業は「祭壇」上の空中で行なう事になります。

最後の「東に向かう」の箇所(「※5」の位置)での呪文については、「五芒星」や「野獣の符合」を「正面(場の中央)」ではなく「(場の中央)上方」へと向かって描いた場合、そのまま「正面」に向かって唱えるのではなく、(東に面したままで)「(場の中央)上方」へと向かい(または「正面」を向いたままで意識だけを「(場の中央)上方」へと向けて)唱える形になる事も考えられます。

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