序文

今回ここで扱うのは『The Grimoire of Armadel(アルマデル奥義書)』です。この書は中世に書かれたとされている魔術書であり、そこには多数の天使(悪魔)に関する記述と共に、「Talisman(タリズマン、タリスマン)」を製作するために必要な彼ら固有の「Sigil(シジル、印形)」、そしてそれらの特徴、効力、更に実際の「タリズマン」製作の方法やそれに必要な呪文などが紹介されています。

(ここで言うところの)「タリズマン」とは、『アルマデル奥義書』にある「天使(悪魔)」の「シジル」を「羊皮紙」に描き写し、その「シジル」の示す「天使(悪魔)」の(霊的な)力をそこへと注ぎ込んだものです。「タリズマン」への力の注入は「天使(悪魔)」を召喚する事によって行われ、そうして完成した「タリズマン」はその所有者に「天使(悪魔)」の恩恵を与えるとされています。これよりはこの「タリズマン」の製作方法を紹介して行きたいと思います。そして最終的な目標としては、「タリズマン」を作ると共に実際に使用しその恩恵を得る事、即ち、「タリズマン」により欲しい能力を得たり、願望を叶えたりする事となります。

話を進めて行く上で問題があるとすれば、それはここでの軸となる『アルマデル奥義書』が洋書(以下)であると言う事です…。

『The Grimoire of Armadel』
翻訳 : S.L.MacGregor Mathers (マグレガー メイザース)

これは元々、ラテン語やフランス語で書かれていたものをメイザースが英語に翻訳したものです。これからこの書を翻訳しつつ、それを中心に作業を進めて行く事になるのですが…そこには更に問題があります…。この書は元のラテン語に不鮮明な部分が多かった事もあり、そのため翻訳として書かれている英語の文章自体にも怪しい箇所が多々あるのです…。ただでさえ英語が苦手だと言うのに、それに加えてその英語が難解なものとなれば…結果は最初から見えているようなものです…。かなり苦しい状況だと言えます…。日本語訳では確か『ソロモン最後の魔術書(魔女の家BOOKS、松田アフラ訳)』と言う本があったように記憶しています。(正確にはこの本の中の一部に割り当てられていると言った感じだったでしょうか。)しかし、そのようなものは持っていませんので…ないものに対しての未練は早々に捨て、苦戦を覚悟で何とか英語相手に自力で進めて行きたいと思います…。その際にはなるべく間違いを少なくするために、部分的にでもそれっぽい訳のようなものが載っている資料があれば、多少は(若しくは積極的に)参考として利用していく積もりではいます。しかし、何処まで出来るか…始める前から言い訳が止まらないほど心配です…。

このような事もあって少し分かり難くなるかも知れませんが、興味のある方はどうぞ最後までお付き合い下さい。

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