天使(悪魔)召喚儀式

全ての道具の準備が整ったら物質的「タリズマン」に霊的な力を与えるために、描き込んだ「シジル」に対応した「天使(悪魔)」の召喚儀式を行ないます。

作業を行なう前に ― 。召喚を行なう日時に指定がある場合はその日時に合わせて召喚儀式を行うようにします。また、「タリズマン」を完成させるためには召喚作業を3日間、同じ時間、同じ場所で行う事が必要とされています。日時の指定がない場合は3日連続で行うと言う事になるでしょうし、日時の指定があり1週間に1日しか作業を行なえないものについては、毎週、同じ曜日の同じ時間、同じ場所で合計3回の儀式を行う事になるものと思われます(完成までに15日掛かる事になります)。最初に儀式を行える時間を確りと確保する事を忘れないで下さい。

以下、実際の召喚儀式を順を追って説明して行きます。

― 召喚儀式のための前準備 ―

この日まだ身を清めていなければ最初に「入浴の礼拝」と「衣服の恵みの礼拝」とを行います。そして、必要な魔術道具を装備し、準備を整えます。この時、「香」を焚く者は「香炉」と「香」を用意し、焚いておきます。また、「蝋燭」や「ランプ」を使う者はそれを配置します。

― 「魔法円」の「祓い」 ―

「魔法円」に入り「追儺の儀礼」を行います。これには「五芒星の小追儺儀礼」を用います。(「五芒星の小追儺儀礼」については「魔術の基礎儀礼 : 五芒星の小儀礼」を参照して下さい。)

― 魂(精神)の準備 ―

「魔法円」の準備が出来たら、次に「魂(精神)の準備」を行ないます。

術者は「魔法円」の中で以下の祈りを行います。

更に以下の祈りを行います。

続けて以下の祈りを行います。

― 天使(悪魔)召喚儀式 ―

以下より召喚作業の中核である「天使(悪魔)召喚」に入ります。

霊(「天使(悪魔)」)の「シジル」を持ち、「魔法円」の中心に立ち、[ Pater(主の祈り) ] [Ave(天使祝詞) ] [ Credo(使徒信条) ]を唱えます。(以下の3つは、定番の訳が存在している中、信仰心がない人間(しかも英語が苦手な人間)が(英語版から)訳したものになっています。適度に敬う感じが出るように直しながら唱えた方が良いかも知れません。)

その後、下記にある霊を呼び出すための呪文を唱えます。詠唱の際には、「天使(悪魔)」の「位階」「名前」を入れる箇所に適切な言葉を当て嵌めて下さい。呼び出したい「天使(悪魔)」の「位階」が分からない場合はその箇所を飛ばして唱えるようにします。

この「呪文」を3度繰り返えしても霊(「天使(悪魔)」)が現れない時は、術者は以下にある「呪文」を3度繰り返す必要があります。これに際し、これらの呪文(恐らく、「その1」「その2」の事)を(次にある)「退去の許可」と一緒に未使用の「羊皮紙」に全て書き記し、以降、それを身に付けておくようにします。

召喚に成功し、術者の望む霊(「天使(悪魔)」)より力が与えられたら(下記「NOTE」を参照)、術者は以下の言葉によって彼の「退去の許可」を行います。

― 召喚儀式終了後 ―

霊(「天使(悪魔)」)の退去作業を行った後、召喚者は召喚作業を行った空間を「追儺の儀礼」によって「祓い」ます。これは「魔法円」に入って最初に行った「祓い」と同じく「五芒星の小追儺儀礼」を用いて行います。場の「祓い」を終えたら「魔法円」から出て、道具の後始末をしたら作業の全ては終了です。

これら一連の作業は連続して3日間、同じ場所、同じ時間に同じように続ける必要があります。3回に亘る全ての作業を終えたら「タリズマン」は完成です。

― NOTE ―

タリズマンに力を注入する場面に対しての補足です。タリズマンへの力の充填に関しては『アルマデル奥義書』には特に書かれていないので、手順通りに行うだけで(本文にあるように行うだけで)それが行われるのかも知れませんが、やや不安なのでここに補足として書いておきます。

天使(悪魔)を術者の前に呼び出した後、術者はその力がタリズマンに注入されるところを視覚化します。或いは、自身が召喚対象を纏う形で呼び出したのであれば()、それを纏っている自身が自身の意識によってタリズマンにその力を注入するようにします(召喚対象を纏った自身からタリズマンへとその力が注ぎ込まれているところを意識します)。後は本文の手順に戻ります(「退去の許可」に進みます)。

( 召喚対象を円環内に呼び出す作業では、それを術者の外に現れるように呼び出すのも、術者に流れ込むように呼び込むのも、意識領域に召喚対象を呼び込んでいると言う事では変わりがなく、意識領域(円環内)に呼び込んだものを外在化して扱うか、一体化して扱うかの違いでしかないと言えます。前者では独立した存在であるかのように外在化させ、それに振舞わせるようにし、後者では内部に取り込んで自身と一体化させ、自身がそれとして振舞うようにします。どちらでも召喚対象の力を振るう事が出来ます。)

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