後書き

悪魔召喚術(喚起術)は大きく2つの種類に分ける事が出来ます。一つは「契約型」であり、これは一般的に連想されるような…悪魔の力を借りるために彼らと「交換条件」の伴う「契約」を交わす…と言ったものです。この「契約型」は悪魔の恩恵を受けた代償として(お約束とも言うべき)「ほぼ確実に訪れる不幸」が術者に課せられると言った大きな欠点があるため、非常に危険度の高い召喚術(喚起術)だと言えます。もう一つは「命令型」であり、こちらは…術者が悪魔に対し(礼儀を示しつつも)上位に立ち、命令、使役する…と言ったものです。今回紹介した『ゲーティア』はこの術者が上位の「命令型」となります。「命令型」は(上位からの命令なので)悪魔との取り引きを必要としないため(向こうが条件を持ちかけて来ても決して聞き入れないようにし、飽く迄も命令で使役するようにします)、「契約型」に見られるような「交換条件」の付いた「契約」や、「ほぼ確実に訪れる不幸」と言ったものはありません。また、作業中も(例えば術中に「魔法円」から出てしまい「悪魔」に攻撃を受けるなどの)大きな失敗を起こさないように気を付けていれば安全を保つ事も「可能」であり、「悪魔」をきちんと「使役」出来てさえいれば召喚(喚起)を行った後の危険も殆どないため、同じ悪魔召喚(喚起)であっても「契約型」よりは遥かに危険度が少ないものであると言えます。悪魔召喚(喚起)を紹介しようと思った中で「ゲーティア」を選んだのも「ゲーティア」が「命令型」の持つこれらの利点を全て含んでいるものであったからです。

しかし、幾ら「命令型」が「契約型」よりも安全性が高いからと言っても、やはり悪魔召喚(喚起)自体は初心者向きであるとは言えません。ここでは初心者に分かり易く書こうとはしていますが、安易に実践を勧めている訳ではありません。もし悪魔召喚(喚起)の実践を考えているのであれば、ある程度の危険は覚悟しなければならないと言う事を憶えておいて下さい。そして、作業の際には安全面に十分配慮した上で、自己の判断・責任の下で行うようして下さい。

そう書いておいて今更なのですが…自分自身は今のところ悪魔召喚(喚起)を行った事はありません。興味はあるのですが…これは必要性の問題であるかと思います。(個人的な考えなのですが、悪魔召喚(喚起)は自らが好んで行うようなものではないと思います。ですが、悪魔喚起(喚起)が何らかの(解決すべき)事態の解決(に結び付く)方法の1つとしてあるような場合で、更にそれに変わる他の適当な解決方法がない(或は不可能)と言う場合に於いては、行う必要性のあるものとして考えなければいけないのではないかと思います。そして、自分自身、何時かはその必要性が出て来るような事もあるのではないかと思っています。例えば、心的統合を見据える段階になり、それまで生きて来た中で自然に統合出来ていない部分に「それら」があるようならば、術を行い、それらを従えると言うのも方法の一つとしてはあるだろうと思います。)それと、ここでは敢えて取り上げなかったのですが、悪魔召喚(喚起)、または「悪魔の存在」については数々の否定的な意見や解釈があるのは確かです。中には「悪魔なんて絶対にいない」とはっきりと言う人もいるでしょう。しかし、ここではそれに反論も賛同もしません。そう思う方はここにある悪魔召喚(喚起)を行わなければ良いだけかと思います。

以上で「ゲーティア」の紹介を終ります。思っていたよりも時間が掛かりました…休みます。

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