後書き

『術師アブラメリンの聖なる魔術書』の紹介を終えての後書きです。

作業全体の感想

内容に関しては他の魔術書と比べると確りしている方だと感じました。魔術書の多くは、手順がきちんと載っていなかったり、内容自体が大雑把な箇所がそこそこあったりするものであり、それを実践向きに纏めるとなると、その中で何処をどのようにして良いのか迷う事もあるのですが、この書ではそのような事にぶつかる事が少なく、実践に必要な情報が概ね書かれていました。(中には中途半端な情報も載っているのですが、それでも)実践に当たっての曖昧な箇所が少ないと言う点はとても良いと思いました。そして、具体性の低い魔術紹介本ではなく、実践向けの書であると思いました。

作業に関しては思っていたよりも労力が掛かりました。厚めの書だったので何時もよりも作業量が増えるだろうと覚悟はして取り掛かったのですが、作業を終えて振り返ると…最初に思っていた以上に大変でした。また、(実践向けに良く書かれているとは言っても)分かり難いところや、情報が分散しているところもあり(どちらも古い魔術書にありがちな事です…)、それを分かり易く纏める作業にも時間が掛かりました。(これに関しては自分なりに分かり易くなればと思い纏めた積りではいるのですが、それと実際に上手く纏まっているか如何かはまた別です…悲しい事に…。)労力も時間も何時もより多く掛かった一冊でした。

ページを製作する上での翻訳について

今回は手元にあった日本語訳本を参考にする事により、手間が幾分か省けるかと考えていたのですが…結局、何時もと殆ど変わらない程度の手間が掛かりました…。それは日本語訳本が余り当てにならなかったためです。大きく省略されている部分が結構あったり、英文では数行に亘って書かれているような箇所が単語数個で置き換えられていたりし、全く扱われていないところや、細かいところが良く分からない大雑把な訳で済まされている箇所も多くあり、結局のところ、自分で翻訳し直す箇所が殆どとなってしまいました…。特にこの魔術書の中核である『第二の書』と『第三の書』とについては、9割以上と思える部分について自分なりに翻訳を行い直しました。(これは日本語訳本の訳文が駄目だと言っている訳ではありません。十分に読み易く(読み易いと言う点では)最適に翻訳されていると思われる部分が殆どなのですが、読み易さを重視したせいで原文を損ねているのではないかと感じる部分もあり、大半の部分について新たに自分なりの翻訳を行い直したと言う事です。)

全体的には、自分で翻訳した上で更に(当然の事として)自分なりに編集をしているため、最初から最後まで日本語訳本に頼ったものとは違った感じに仕上がったものと思います。(ですが…(英語に疎い)自分が英文に与えた言葉や、編集した文章を見直すと(分かり易く翻訳されている日本語訳本と比べて)非常に読み難く、分かり難くなってしまった箇所が多くあり、ただの余計な改悪作業だったような気もします(反省点です…)。特に、日本語訳本で省略されている箇所については他に参考にするものもなく、全てが自分の手による翻訳なので…その辺りの訳は非常に怪しくなって仕舞っています。)また、編集の際には短く纏めたり、いらないと思われる部分は最低限の範囲で削除したりもしていますが、それらも(最初から省略されているものを参考にしたのとは違い)自分なりの判断の届くもの(自分で判断した上での短縮や省略)となっています。そのため、日本語訳本を(翻訳や編集の)参考にしつつも、それなりの独自性は確保出来ているのではないかと考えています。(翻訳元も同じですし、その翻訳についても基本的には日本語訳本をお手本(に出来る部分はお手本)にしていますので…当然、似たように仕上がっている箇所も多々あるものとは思いますが…。)

日本語訳本に関してはあれこれと言いましたが、自分が翻訳、編集、点検する際に大きく役に立った事は確かです。その点では非常に有難かったと思います。特に翻訳間違いの点検(省かれている部分を除く)や、全体を簡単に把握しながらの編集が出来たので、その点では助かりました。(助けになった部分があるのは確かであり、それにも係わらず、恩知らずな事に不足・不適切がある点を指摘して仕舞ったので、最後に感謝を示しました。)

最後に

今回は時間が殆どない中で製作を行ったため、内容が不十分と感じられたり、直訳調で意味が分かり難かったり(英語が全く分からないのに自分で翻訳をしたために起きた多々あると思われる有難くない副産物の1つです…)、そう言った箇所が大部分かと思われますが、容赦願いたいところです。それらに関しては時間を見付けて直して行く積もりです。

最後までお付き合い下さり有難うござました。

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