魔術武器を揃える

儀式魔術に必要な「魔術武器」を揃えて行きます。

(どの段階から「魔術武器」を揃えて行くのが良いのか断言は出来ませんが、個人的には「象徴」の理解がある程度進んだ辺りからが良いのではないかと思います。)

魔術武器を揃える方法

「魔術武器」は、その殆どがその手のお店で売られています。(お金は掛かりますが)手っ取り早く揃えるのはそれらを買って集める方法でしょう。

しかし、「魔術武器」の中には自分で作る事十分に可能なものや、自分で作る事の重要性、必要性が高いものもあり、それら関しては可能な限り自分で作るのが望ましいと言えます。

自分で作る事が可能なもの、特に自分で作る事が需要なものは手間暇を惜しまず自分で作り、如何しても無理なところ、大きな無理をしてまで自分で作る必要性のないものに関しては既成のものを購入すると言った形で必要なものを揃えて行くのが良いのではないかと思います。

儀式魔術に使用する魔術武器

儀式魔術に使用する「魔術武器」には以下のようなものがあります。

  • 円環(魔法円)
  • 魔術の棒
  • 魔術の剣
  • 四大元素武器
  • 祭壇 / アルタークロス
  • 四大旗
  • 法衣(ローブ)
  • 外套(マント)
  • 香 / 香炉
  • 聖水
  • 蝋燭
  • 胸飾り(ラメン)
  • 王冠
  • 頭巾(ネメス)
  • ランプ
  • など…

これらの「魔術武器」は、全て揃っていないと魔術が全く行えないのかと言うと、そうではありません。

この中で魔術を行うに当たって最低限揃えておきたいものは…「円環(魔法円)」「魔術の棒」「魔術の剣」「四大元素武器」「祭壇」「法衣(ローブ)」「香と香炉」「聖水」「油」「蝋燭」…当然、場合によって変わって来ますが、取り敢えずこれぐらいでしょうか。

(作るにしろ買うにしろ)揃えるのにはある程度の時間とお金が掛かるので、優先順位の高いものから揃えるようにしましょう。それ以外のものは、後々、徐々に揃えて行っても構わないと思います。

以下、これら早い段階から揃えておいた方が良いと思われる「魔術武器」について簡単に見て行きたいと思います。

円環(魔法円)

「円環(魔法円)」は魔術師(自分自身)の領域、世界、宇宙(小宇宙)となるものです。場合によっては「円環(魔法円)」の外に「三角形」を置く事があります。

四大元素武器

「火の棒(杖)」「水の杯」「風の剣」「地のペンタクル」の4つがあります。

それぞれ四大の「火」「水」「風」「地」を象徴します。

4つで一組です。

祭壇

「祭壇」は魔術師の(そして魔術の)基盤となるものです。

立方体の箱を2つ重ねて作る「二重立方祭壇」が多く見られます。

大抵、使わない「魔術道具」を中に入れておけるようになっています。

(なくても構いませんが)「アルタークロス」などを上に掛けて用います。

「柱」は、通常、白と黒との2本の柱を用います。

これは「ソロモンの神殿」の柱であり、「生命の樹」の左右の柱の「象徴」です。

作るのが大変であったり、あっても置き場に困ると言う場合は無理に用意しなくても構いません(必要な場合は「視覚化」で済ませます)。

法衣(ローブ)

「法衣(ローブ)」は魔術師が身に付ける魔術用の衣服です。

通常、腰には帯、或はロープを巻きます。

良く見掛けるのは「タウ十字法衣」です。

布を買って来て自分で作るのが最善であると思います。

「法衣」の上から「外套」を身に付ける事もありますが、これは無くても(後回しでも)構いません。

香と香炉

「香」、「香炉」は既成品を購入するのが良いかと思います。

「香」には様々な材料のものがあります。また、形状にもスティック型、コーン型、パウダー型、種型などがあり、それぞれ金額、扱い勝手、煙の量などに差があります。

汎用的なものだけでなく、色々と用意しておくと便利です。

聖水・油

「聖水」は(売ってもいますが)自分で作るのが良いかと思います。

「油」は購入するか、原材料を買って来て自分で調合します。純度の高いオリーブオイルでも構いません。

蝋燭

「蝋燭」は極普通のもので構いません。ある程度長持ちする方が好ましいと思います。

魔術武器の作り方

作り方に関しては魔術の学習過程で目にする事と思います。書くと長くなりますので、それについてはここでは扱いません。

魔術武器の代替

これらの「魔術武器」は(「象徴」ですので)別のものでの代替も可能です()。また、全ての「魔術武器」を視覚化によって済ませる事も出来ます(「象徴」ですので)。

( 例えば、「円環」はロープの端を結んで円を作る事によって代用できますし、「棒」はマッチブックや「吊り香炉」、「杯」は水を入れたグラス、「剣」は扇(紙で折って作ったものでも良い)、「ペンタクル」は皿に置いたパン、或は皿に盛った塩を用いても構いません。「四大旗」は(「四大」の「象徴」が描かれた4つの旗であり、対応する四方へと配置して用います)紙に「四大」の「象徴」(特に決まりはない)を描いたものを四方の壁に貼っておくだけでも構いません。「王冠」は紙で作って代用する事も可能です。)

魔術武器の聖別

魔術武器を用意したら実際の魔術儀式で使用する前にそれら全てを聖別()しておきましょう。

魔術武器は一言で言ってしまえば精神に働きかける象徴物であり、その象徴物である魔術武器を(象徴物として)正しく十分に働くようにするためには聖別されている(1つの目的(魔術武器の象徴するところ、照応する無意識内容)に捧げ(結び付け)られている)必要があります。聖別を施さなければそれらは象徴物として正しく働かないか、或は働きが不十分なものとなって仕舞う可能性があると言えます。

( 聖別とは魔術武器をそれに照応する無意識内容に捧げる事、即ち、双方の関係を強く結び付ける事だと考えられます。勿論、日常から切り離して魔術の世界に捧げると言う事でもあるかと思います。聖別された魔術武器は(この2つから)魔術の世界を作り出す一部であり、魔術の世界において象徴として強く働くものであると言えるでしょう。)

先に魔術武器は可能な限り自分で作るのが望ましいと書きましたが、それは魔術武器の事を考えながら自分で作って行く行為そのものが聖別作業にもなっているためであると言う事も理由としてあります。

魔術に用いられる道具は他の事に使用してはいけないとされています。これは象徴性に紛れ(異なる象徴性)を入り込ませないようにするためと、(異なる象徴性とは別に、魔術とは関係がない)日常性を帯びて仕舞う事とを避けるためかと思います。

未使用のものを使用する事(※※)とされているのも同じ意味だと思われます。何かに使った(使っていた)ものよりも、何にも使っていないものの方が元の役目や日常性の付着が少ないと言えます。そして、元の役目や日常性の付着が少ない(意識的な部分だけでなく、無意識的な部分でも少ないと感じている)状態のものを最初から魔術の専用とした方が、余計な付着が少ない分(付着が頑固ではない分)、それらを消して魔術用にする(意識、無意識の領域で元の役目や日常性から切り離して魔術用に塗り替える)難しさも少ないと言えます。そう言った点から、魔術に持ち込むものは未使用のものが良いと言えるかと思います。

(※※ 未使用ではないものもであっても、きちんと元の役目から切り離し、今後、特定の目的に捧げるようにする事によって、問題なく使えるようにはなります。ただ、未使用のものを使った方が楽は楽です。)

また、暫く使用していなかった魔術道具については使用する前に再度聖別した方が良いとされている事がありますが、これは、暫く使用しない事により魔術道具の象徴物としての働き(象徴物とそれを捧げた無意識内容との関係、結び付き)が衰える(即ち、結びつきが弱くなる)とした考えによるものなのではないかと思います。

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