召喚魔術について

召喚魔術の有用性

召喚魔術は魔術的儀式の基本とも言えるものであり(喚起を行う、聖別を行う、タリズマンを活性化させるなどにしても最初に行われるべきは適切な神格の召喚作業となります)、また、魔術を行なう上での基本的な要素、技術、手順が多く含まれている事からも、初心者にとっては学ぶ意味の非常に大きなものであると言えます。

(勿論、召喚魔術の有用性は初心者に限った事ではありません。熟達してからも(高次神格や至高神の召喚など…)十分に行う意味のあるものですし、魔術の究極的な目的を至高神との神人合一に求める魔術師(魔術団体)もいますので、そう言う点から見れば(…これは少し言い過ぎになるかも知れませんが…)召喚魔術は魔術の基本にして究極でもあると言えるのではないかと思います。)

召喚とは?

ここでは、この先も含め、召喚に対する理論面については殆ど扱いませんが、魔術による神(神格)の召喚と言うものを簡単に表わすとするならば…「意図的に神と人間との接触(或は融合)を引き起こす事」であると言えるかと思います。術者の主観で言えば…「自分自身へと神を(下降、或は上昇させ)呼び入れる事」となるでしょうか。

(「呼び入れる」と書くと一方的に神をこちらへと呼び付けるかのように感じられるかも知れませんが、実際に行われる作業においては、大抵、神の下降(上昇)(神をこちらへ導き、呼ぶ事)だけでなく自らの上昇(下降)(神(1つの方向)へと向ってこちらから近づいて行く事)も必要とします。)

因みに、魔術の世界には召喚と混同されるものに喚起と言うものがありますが、こちらは対象を自分の外側へと切り離して呼び出す術であり、自分の内側へと対象を招き入れる(呼び入れる)召喚とは区別されるべきものだと言えます。

紹介する召喚の方法

この神と人間とが接触するための方法には幾つかあるのですが…ここでは簡単で小規模な儀式(儀礼)を利用した召喚(即ち、外的操作(儀礼)によって神と人間との接触を試みる方法)を扱う事にしました。それならば実践者が単独でも行う事が出来、且つ初心者向きであると思われるためです。

(複数の人間によって行われるような大掛かりなものありますが、ここでは個人で行なうと前提である事や、掛かる手間(時間や場所など)の事から考えても対象外にしました。また、日々を祈りに捧げ敬虔に生きて行き、神が遣って来るのを待つ…と言ったような(宗教的な)形での神(神格)との接触も考えられますが、これは意図しない時に(多くは心の偏りが原因となって)自動的に起こるものであり、こちらは少なくとも魔術師の行う召喚とは言えないため対象外にしました。)


最後に。これより紹介する「召喚魔術」は初心者向けと言う事で低次神格を対象とした召喚を前提に進めて行きます。また、紹介する作業工程に関しては、誰にでも出来るようにと簡素にしたものであり、必要最低限に近い作業と道具とで行なえるように構成したものになっています。召喚儀式としては低次元のものと言えるかも知れませんが、初心者には手頃なものとなっているのではないかと思います。

召喚魔術には言葉に表す事が難しい感覚的な部分も多く、上手く表現したり説明したり出来ないところもあります。上手く伝わると良いのですが…。分かり難いかも知れませんが、続きます。

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