十二宮と七惑星とについて

十二宮

「十二宮」は「白羊宮」「金牛宮」「双子宮」「巨蟹宮」「獅子宮」「処女宮」「天秤宮」「天蠍宮」「人馬宮」「磨羯宮」「宝瓶宮」「双魚宮」の12の宮を指します。

「十二宮」はその性質によって四区分、三区分、二区分と分類する事が出来ます。四区分は「四大」による分類、三区分は活動状態による分類、二区分は性別による分類です。「十二宮」はそれぞれに支配惑星を持っています。支配惑星とはその宮にある時に「格式(品位)」が「盛」となる惑星の事です。それぞれの区分と支配惑星とについては以下の表に記してあります。

「十二宮」の記号については「魔術の基礎知識 : 魔術で用いられる記号」を参照して下さい。

[ 十二宮 ]
十二宮 四区分 三区分 二区分 支配惑星 777キースケール
白羊宮(Aries) 活動宮 男性宮 火星 15(28)
金牛宮(Taurus) 不動宮 女性宮 金星 16
双子宮(Gemini) 柔軟宮 男性宮 水星 17
巨蟹宮(Cancer) 活動宮 女性宮 18
獅子宮(Leo) 不動宮 男性宮 太陽 19
処女宮(Virgo) 柔軟宮 女性宮 水星 20
天秤宮(Libra) 活動宮 男性宮 金星 22
天蠍宮(Scorpio) 不動宮 女性宮 火星 24
人馬宮(Sagittarius) 柔軟宮 男性宮 木星 25
磨羯宮(Capricornus) 活動宮 女性宮 土星 26
宝瓶宮(Aquarius) 不動宮 男性宮 土星 28(15)
双魚宮(Pisces) 柔軟宮 女性宮 木星 29

活動宮は元素の誕生を表わし、不動宮はその生命を、柔軟宮はその本来の理想系、即ち、霊に向かう(霊化への)過程を表わします。

それぞれの宮は30度ずつの幅を持っていますが、それは更に10度ずつの3つの「デカン(十分角)」に分ける事が出来ます。「第一デカン」は非常に迅速で激烈、「第二デカン」は力強いが均衡が取れている、「第三デカン」は浄化されていて儚い…と言った特性があります。

七惑星

「七惑星」は「水星」「月」「金星」「木星」「火星」「太陽」「土星」の七つの惑星を指します。魔術等では「太陽」「月」も惑星として扱われます。(ここでは「777キースケール」順に惑星を並べましたが、これは「土星」「木星」「火星」「太陽」「金星」「水星」「月」、或いはその逆の「月」「水星」「金星」「太陽」「火星」「木星」「土星」と並べる並べ方もあります。)

「七惑星」にはそれぞれに対応した金属、性別、曜日などがあります。惑星とそれらの対応とについては以下の表(1つ目)に記してあります。

惑星には「格式(品位)」と呼ばれるものがあり、それは惑星がどの宮(「十二宮」)にあるかによって異なって来ます。「盛(dignity)」となる時は惑星が本来持つ美点が発揮され、「興(exaltation)」では惑星の勢力、影響力が増大、「衰(fall)」では勢力、影響力の減退、「敗(detriment)」では惑星の持つ欠点、悪い面が発揮されます。それぞれの惑星と「格式(品位)」については以下の表(2つ目)をご覧下さい。

魔術を行なうのに最適な時期は、行なう魔術を司る惑星が「興」「盛」となる宮にある時だとされています。また、(惑星が「興」となっていなくとも)対応する惑星が「興」「盛」となる宮に「太陽」がある時も良いようです。逆に惑星が「衰」「敗」となる宮にある時期はその惑星の魔術を行なうのには向いていないとされています。(表では「太陽」にも「衰」「敗」となる宮がある事になっていますが、魔術的に言うと「太陽」は決して力の衰える事がない惑星であり、故に、「衰」も「敗」もないとされています。)

惑星の記号については「魔術の基礎知識 : 魔術で用いられる記号」を参照して下さい。

[ 七惑星 1 ]
七惑星 金属 性別 曜日 777キースケール
水星(Mercury) 水銀 両性 水曜 12
月(Luna) 月曜 13
金星(Venus) 金曜 14
木星(Jupiter) 木曜 21
火星(Mars) 火曜 27
太陽(Sol) 日曜 30
土星(Saturn) 土曜 32
[ 七惑星 2 ]
七惑星
水星(Mercury) 双子宮 処女宮 処女宮 双魚宮 人馬宮
月(Luna) 巨蟹宮 金牛宮 天蠍宮 磨羯宮
金星(Venus) 金牛宮 天秤宮 双魚宮 処女宮 白羊宮 天蠍宮
木星(Jupiter) 人馬宮 双魚宮 巨蟹宮 磨羯宮 双子宮 処女宮
火星(Mars) 白羊宮 天蠍宮 磨羯宮 巨蟹宮 天秤宮 金牛宮
太陽(Sol) 獅子宮 白羊宮 (天秤宮) (宝瓶宮)
土星(Saturn) 磨羯宮 宝瓶宮 天秤宮 白羊宮 巨蟹宮 獅子宮

各惑星の持つ性質、特性については大凡以下のようかと思います。

水星

「水星」は「太陽」の周囲を最も早く動き、最も近くで「太陽」の光を受けている惑星です。二重性と流動性と言った性質を持っています。「水星」は「メルクリウス : Mercury(ヘルメス : Hermes))」「トート : Thoth」などと関連付けられます。「ヘルメス」は智慧を司る神、科学や弁舌の神であり、俊敏に動く事から神々の使者でもあります。また、使者を導く冥界の案内人としての(「アヌビス : Anubis」的な)役割も有しています。更には商業、泥棒、旅行、虚偽の神でもあります。「トート神」は智慧の神、神々の書記であり、「メルクリウス(ヘルメス)」とも同一視されています。「水星」は言葉(ロゴス)、神の意志、智慧、科学、敏捷性、能弁、言葉による意志や思想などの伝達、表現能力、文才、また、商売と盗み、旅などを示します。

「月」は夜の太陽であり、闇の世界を怪しく照らし出す惑星です。古より霊の基盤であると考えられてきました。満ち欠けしたり、(地球との距離によって)大きさが変化したり、色が変化する事があったりする「月」は変化の象徴でもあります。また、潮の満ち引きに関係がある事から海とも深く関っています。月の「女神ディアナ : Diana(アルテミス : Artemis)」などと関連付けられます。「月」は受容性、感情、変化、本能、想像、夢の領域、潜在能力、直観力、記憶、基盤などを示します。

金星

「金星」は明けと宵の空に美しく輝く惑星です。愛と美の「女神ヴェヌス(アフロディテ)」、愛の女神としての「ハトホル : hathor」などと関連付けられます。「金星」は愛、美、調和、平和、また、快楽、結び付ける力、多産、(自然の)繁殖(受精)力などを示します。「火星(男性的)」と対をなす女性的な惑星です。

木星

「木星」は最も大きく雄大な惑星です。「十二宮」の一つの宮に1年間留まり、「十二宮」を12年で一周します。堂々とし、安定した動きを見せる惑星です。惑星達の君主であり、「木星」は「ユピテル : Jupiter(ゼウス : Zeus)」などと関連付けられます。「ユピテル(ゼウス)」は全能神であり、神々の王であり、また、大気と嵐(雨、風)と雷の神でもあります。「木星」は拡大、広がり、発展(繁栄)、成長、(社会的な)成功、豊富、富、寛大さ、威厳、慈悲、保護、楽観性を示します。「土星(不幸を齎す星)」と対をなす幸運を齎す星(ベネフィック(benefic))とされています。

火星

「火星」は火(血)のように赤く、怪しく光る惑星です。「軍神マルス : Mars(アレス : Ares)」などと関連付けられます。「火星」は戦争、災害、不和や争い、渇望、勇気、物質的な創造のエネルギーなどを示します。「火星」は戦乱を齎す星とされています。「金星(女性的)」と対をなす男性的な惑星です。

太陽

「太陽」は生命の源である光を地球に注ぐ惑星であり、永遠性の象徴とされています。「太陽神アポロ : Apollo」「太陽神ラー : Ra」などと関連付けられます。一年を通して勢力の盛衰があり(夏至に全盛を迎え、冬至に最も衰える)、(その盛衰を繰り返す事から)死と再生の象徴とされます。死から復活したキリスト(イエス)とも結び付けられます。「太陽」は生命力、活力、創造性、方向性を持った意志、調和、復活、救済、天と地との仲介、健康などを示します。

土星

「土星」は最も遠くにあり(天王星が発見される以前)、不活発で、暗い、老齢の惑星です。最も鈍く重い(動きが遅い)この星は制限と抑制の星とされています。「生命の樹」に於ける「セフィラ」では深淵の上、「ビナー」と関連付けられています(正確には「土星の天球」ですが)。「ビナー」は(原初的な)「形」を与える、即ち、形相的制限を与える「セフィラ」です。「サトゥルヌス : Saturn, Saturnus(クロノス : Kronos, Cronus)」と関連付けられます。「サトゥルヌス」は「ユピテル」以前の神、古の神、神々の父であり、農耕神でもありました。「クロノス」は猜疑心から自分の息子を飲み込んだと言われています。(「ビナー」は「母なる海」であり、「飲み込む者」でもあります。)「土星」は制限、抑制、収縮、結晶化、集中、確実性(堅実性)、破壊する力と創造(形成)する力、悲観性を示します。「木星(幸運を齎す星)」と対をなす災いを齎す星(マレフィックス(malefic))とされています。

カウンター
^